――現在、藤井四段は名古屋大学教育学部附属中学校に通う中学2年生ですが、プロ棋士昇格が決まり、学校の反応はいかがでしたか?

聡太 学校には将棋部もないし、将棋に詳しい友人があまりいないんです。でも、新聞とかテレビに僕が出ているのを見て、“すげぇじゃん”とはいわれましたが(笑)。いま通っている学校は、カート競技で世界大会に出場している子もいたり、個人で取り組んでいることに対して、比較的大きな目で見てくれていると感じますね。先生も含めて、サラッと受け入れてくれていますよ。

――授業中に将棋のことを考えることはありますか。

聡太 それはないです。授業のときは授業に集中しています。師匠の杉本昌隆七段には「僕は学校に詰将棋を持参していっていたけれど」といわれたこともありますが、僕は持っていかない。頭の中で盤面が浮かぶということもありません。
4月13日、将棋の竜王戦ランキング戦6組で星野良生四段(右)を破り、自身の持つデビュー後の連勝記録を「12」に更新した藤井聡太四段=大阪市の関西将棋会館
4月13日、将棋の竜王戦ランキング戦6組で星野良生四段(右)を破り、自身の持つデビュー後の連勝記録を「12」に更新した藤井聡太四段=大阪市の関西将棋会館
――藤井四段は、将棋の場面を図面で考えるのか、棋譜で考えるのか、どちらのタイプですか。

聡太 基本的に、符号で考えて、最後に図面に直して、その局面の形勢判断をしています。

――5歳で将棋を始めたきっかけが、祖母・育子さんが買ってきた「スタディ将棋」(くもん出版)だったそうですね。

藤井裕子(以下、裕子) それぞれの駒に矢印が付いていて、役割が一目でわかる将棋キットで、すぐに熱中していました。私の母がいうには、のめり込み方が、ほかの孫に比べて聡太だけ突出していたそうです。

聡太  「スタディ将棋」の何が気に入ったのかはあまり覚えていないのですが、単純に楽しかったのだと思います。将棋なら年上の相手と対等に渡り合えるというのも嬉しかった。どんどん新しい手を覚えて、それまで勝てなかった相手に勝てることに、やり甲斐を感じていました。

――この半年で急激に強くなったように感じます。3月に藤井三段(当時)と対戦したプロ棋士は「一期抜けは無理」と断言していました。一方で私の友人は、いまや三段と大駒一枚違うといいます。何があったのですか?

聡太 大駒一枚は、言い過ぎです(笑)。でも、今年の5月くらいからフリーソフトを何個かインストールして、パソコン上で将棋を指すようになりました。自分の弱みや間違っていた手がわかるので、勉強になります。