小学館は以前は学年別学習誌で知られていたが、今は少子化の影響もあって、『小学1年生』以外全て休刊になってしまった。その児童誌市場で圧倒的なシェアを誇っているのが『コロコロコミック』と『ちゃお』だ。『コロコロコミック』は『妖怪ウォッチ』ブームの後、部数も落ちているのだが、この児童誌市場にいま、気になる傾向が目立ち始めている。まだスマホを持たない小学生が読者であるため、デジタルの影響を受けていないと言われるこの市場にも、実はいろいろな変化が出つつあるというのだ。
少年児童誌市場で圧倒的なシェアを誇る小学館の『コロコロコミック』(中央)
少年児童誌市場で圧倒的なシェアを誇る小学館の『コロコロコミック』(中央)
 小学館第二コミック局の佐上靖之チーフプロデューサーに聞いた。

 「『コロコロコミック』の主な読者は小学校高学年なんですが、4月号は、新しい読者を迎え入れる大事な時期なんですね。新しい読者がつく一方で上の年齢の子どもたちは卒業していく。入ってくる読者と卒業する読者のどちらが多いかで雑誌の部数が決まるのです。今年は『コロコロコミック』も『ちゃお』も創刊40周年の節目ですので、しっかりと力を入れて楽しい雑誌を作っていこうと思っています」

 雑誌が苦戦する出版界だが、子どもたちの間ではいまだにマンガ雑誌が娯楽の中心を占める。スマホの普及も上の世代ほどではないし、お小遣いの額も限られているので、いろいろなマンガが読めて付録もついているマンガ雑誌は貴重な存在なのだ。

 児童誌の大きな特徴は、玩具やゲームを含めたブームと連動していることだ。3年前の「妖怪ウォッチ」大ブームの時は『コロコロコミック』も100万部を突破する勢いだった。そのブームが一段落した現状では、雑誌の部数もピーク時に比べると20~30万部落ちているという。

 「それは児童誌の特徴であり想定内のことではあるのです。幸い、今の『コロコロコミック』の部数は、『妖怪ウォッチ』ブームの前よりは高いところにとどまっています。本来、編集部としてはブームが一段落する前に次のブームを仕掛けていかねばならず、今は『ベイブレード』と『デュエル・マスターズ』がそれに当たるのですが、残念ながら『妖怪ウォッチ』ほど大きなムーブメントに至っていないのが実情です」(佐上チーフプロデューサー)

 「ベイブレード」は、もともとベーゴマをもとにタカラトミーが開発した玩具だが、過去2001年、2008年とブームになり、今回は第3期。「ベイブレードバースト」というシリーズだ。2015年夏にタカラトミーから玩具が発売され、7月から『コロコロコミック』でマンガ連載開始、2016年4月からはテレビ東京でアニメの放送が始まった。

 「デュエル・マスターズ」はタカラトミー発売のトレーディングカードゲームと連動したもので、『コロコロコミック』では2014年4月号から現在のシリーズ「デュエル・マスターズVS」の連載が始まった。テレビ東京のアニメも昨年4月から始まっている。

 そんなふうにゲームや玩具にマンガとアニメを連動させてブームを作り出し、マンガを読んでいないと学校で子どもたちが話題についていけないという状況を作り出す。そういう独特の手法が児童誌の大きな特徴だ。