田岡春幸(労働問題コンサルタント)

 ユニオンとは、パートであれ誰であれ、企業や職種・産業の枠にこだわらず、個人加入でき、主に中小企業労働者が加入する労働組合である。

 では、なぜユニオンが登場してきたのであろうか。

 第一は労働者の権利意識が強くなったことが一因だろう。労働者、特に正社員が労働条件に対して給料が右肩上がりで、今まで非正規には関心がなかった。だが、経済が停滞して不況になり、正社員になれない、いわゆる弱者とされている労働者たちが急に権利意識を強く持ち、声を上げ始めた。ここにユニオンは目を付けたのだ。逆に、ユニオンが権利意識をたき付けているところもある。

 第二は、市民運動と称する運動の形態の出現があるのではないか。市民運動は、70年代から公害運動や消費者運動を契機に日本で定着してきた。この運動が労働界にも入り、市民運動の形態の一つとしてユニオンが結成されたといえる。

 ユニオンの基本的な交渉の流れは、「団体交渉」「不当労働行為」「労働委員会」この3点セットだ。近年は、新たな戦術として「法律の利用・活用」がある。さらに戦術として、街宣活動、関係各所へのビラまきをしかけてくる。

 まず、団体交渉で会社が組合の言うことを聞かないと、不当労働行為あるいは法律違反と騒ぎ、必ずと言っていいほど労働委員会を持ち出す。そして、労働委員会は、和解金の提案を必ずしてくる。

 本来、労働委員会は、個別的紛争は扱わないはずである。労働委員会という国の機関を出せば知らない経営者は、恐れをなして金を払うという戦略である。公的機関が脅しの道具に使われているのだ。

 また、ユニオンは会社側が金を払わない姿勢をみせると、労働組合の交渉とは呼べないようなやり方で攻めてくる。警察や司法機関も手が出せない状況にあり、まさにやりたい放題である。一番多く用いられる方法は、先に記した会社周辺でのビラまきや街宣だ。

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 これらは名誉毀損(きそん)罪に抵触しかねない極めて過激な行為である。ユニオンの最終目的は、会社から和解金と称して金を取ることであり、和解金の金額は、軒並み1000万円以上を要求してくる。

 これは中小企業にとって、大変な金額である。彼らに金を払ってはいけない。払ったら最後、何度も不当労働行為で労働委員会に申請される。どのような手段を使っても金を払わせようとする。ユニオンは、組合員から和解金から得た金のうち、3~4割をピンはねしている。これが、彼らユニオンの資金源の一つになっているのだ。

 そして金を支払わないと、ユニオンの嫌がらせはエスカレートし続ける。例えば「ブラック企業だ!」と名指ししたチラシを会社周辺で配る、取引先にユニオン側の主張を一方的に記した印刷物を配布する。その際に経営者の住所入りの地図を印刷したりする。会社に要求書を手渡す様子を動画で撮影し、それをネット上にアップするなど、ユニオンの要求をのまない限り、手口がエスカレートしていくのである。