2017年05月29日 12:05 公開

大規模なシステム障害による英ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)の混乱は発生から3日目の29日にも、短距離フライトが欠航するなど、影響が続く見通しとなっている。同航空は28日、長距離フライトはすべて運航するほか、短距離フライトも「高い割合」を運航すると方針を示した。利用者には、事前に運航状況を確認するよう呼びかけている。

BAのフライトは27日、システム障害のためロンドンのヒースロー、ガトウィック両空港からの出発便が全便欠航となった。28日にはガトウィック空港発の便は全便が出発したが、ヒースロー出発便は、短距離フライトを中心に3割以上が欠航した。

BAは28日、情報通信システムは「完全な稼働状態」に近づきつつあると発表した。

BAは声明で、「世界的な運航に深刻な影響を与えた27日の大規模なITシステム障害から、運航の再構築に向けて順調に進展を続けています。ヒースローでは、予定された長距離飛行のほとんどを運航しました。ただし27日の混乱の影響で、短距離フライトは運航を縮小しています」と説明した。

ヨガ・マット

BAは、影響を受けた大勢の乗客に対して宿泊費や飲食費を補償する必要がある。その補償費用は数千万ポンドに上る可能性がある。

欠航のため目的地への移動ができなくなった乗客は、1日最大200ポンド(約3万円、2人1部屋)の宿泊代、空港~ホテル間の交通費に50ポンド、大人1人あたり1日25ポンドの飲食費の補償を請求できる。

BAは27日夜には、ヒースロー空港のターミナルで寝泊まりする乗客にヨガ用のマットを配った。

28日の空港内には、振り替え便の予約を取り直そうとする乗客で長蛇の列ができた。出発を待つ乗客のために、一部の会議室も開放された。

BAは、ヒースローで29日にも大混雑が予想されるため、運航が確実な便の予約客以外は空港に向かわないよう呼びかけた。

ガトウィック空港も、BA利用客には引き続き空港へ出発する前に運航状況を確認するよう呼びかけている。

欠航の影響を受けた乗客は、全額の払い戻しか、あるいは11月末までに別の便の予約ができるが、BAはウェブサイトの利用を推奨している。

ヒースロー空港には、乗客が預けた大量の手荷物が残されているが、BAは各自に配送して届けるため、空港に取りに戻らないよう呼びかけている。

BAはシステム障害の原因について、サイバー攻撃を示す情報はないと説明している。また、IT関連の作業を社外にアウトソースしていることと関係があるのではないかと英全国都市一般労組(GMB)が指摘していることについても、関連を否定した。


EUへのフライト遅延に伴う乗客の権利

  • あなたのフライトが欧州連合(EU)から出発した、もしくは欧州航空会社のフライトで、遅延あるいは欠航の原因が航空会社の管理下にあるものだった場合、EU法の下、補償請求の権利がある
  • 短距離フライト――3時間以上の遅延には250ユーロ(約3万1000円)
  • 中距離フライト――3時間以上の遅延には400ユーロ
  • 長距離フライト――3~4時間の遅延には300ユーロ、4時間以上の遅延には600ユーロ
  • 2時間以上の遅延の場合、航空会社が食事と飲み物、電話や電子メールへのアクセスを提供しなくてはならない。遅延が深夜を過ぎる場合は宿泊(空港~ホテル間の移動を含む)も提供しなくてはならない。

(英語記事 BA flight disruption at Heathrow set for third day