2017年06月01日 17:50 公開

ピーター・バーンズ、BBC選挙担当解説委員

英国では8日に総選挙が実施される。投開票を約1週間後に控えた5月31日現在、英世論調査会社YouGovによると、4月半ばに解散総選挙が発表されて以来、与党・保守党と最大野党・労働党の差がかつてないほど接近しているという。

YouGovの投票意向調査によると、保守党に投票するつもりだという回答者の割合は42%で、労働党は39%。労働党としては2014年以来、最高の数字を記録した。

ただし、労働党にとって朗報ばかりではない。コンサルタント会社カンタ―・パブリックが31日に発表した世論調査では、保守党がわずかに投票意向の支持率を伸ばし、保守党43%、労働党33%となっている。

両党の差が開いているのは、ICMとComResの調査も同様で、両社調査では10ポイント以上の差がついている。

各種調査結果に差が出るのは、投票率予想の違いによる。

世論調査会社はお互いの結果を「ならして」そろえる傾向があるとよく言われるが、今回の選挙についてはその批判はあてはまらない。むしろ投票日が近付くにつれて、各社の調査結果の違いがより顕著になっている。

スコットランドとウェールズ

31日午後にはスコットランドについて、珍しい結果も発表された。スコットランド国民党は支持率43%で、選挙期間以前からの圧倒的リードを保っている。

それよりも目を引いたのは、労働党と保守党がそれぞれ25%で拮抗していた点で、保守党が安定した2位につけていないのは今年に入って初めて。

ウェールズについては、YouGov調査でかつて保守党が明確にリードしていたのが、最新調査では労働党が保守党に10ポイントの差をつけてリードしている。

ただしスコットランド、ウェールズ、北アイルランドのみの世論調査は少なく情報が不足しているため、この結果から結論を導くのは難しい。

議席数の予想

BBCが連日追跡する各種世論調査の動向は、どの政党に投票するつもりかという投票意向地調査、つまり支持率だ。各党の獲得議席数を予想するものではない。

それには理由がある。英国の選挙では最も多く得票した候補が、勝者となる。そのため、全体の票数と議席数は必ずしも比例しない。

今回の総選挙は2015年総選挙と同じような得票率の配分になるかもしれないが、それでも各党の議席数は前回とかなり違ったものになり得る。

とは言うものの、投票がどう議席数につながるのかは誰もが知りたいところだ。

このため、YouGovは試算モデルを公表している。その結果、どの政党も単独過半数を獲得しない「hung parliament(宙吊り議会)」になる予想が出たため、一部で騒然としている。

議席数予想の計算モデルは非常に複雑だ。単独の調査結果ではなく、他のYouGov調査に参加した5万人の回答をもとにしている。選挙区ごとに有権者が誰に入れるか答えた数を、単純に数えただけのものでもない。

5万人の回答をもとにしていても、650選挙区すべてで信頼できる結果を算出するにはサンプル数が不十分だ。

そのためYouGovは代わりに、世論調査に参加する回答者の住所、年齢・性別・職業・年収などといった人口統計学的情報や、過去の投票履歴を組み合わせ、どういうタイプの人はどう投票するか、傾向を割り出そうとする。その上で、各選挙区の有権者の構成をもとに、どういう結果になり得るかを予測している。

現に同社のステファン・シェイクスピア最高経営責任者は、現状からほんのわずかにでも保守党有利に傾けば、保守党が安定過半数を獲得するだろうと話している。

そのため、この議席数予想はかなり慎重に受け止める必要がある。

(誤差範囲――調査各社はもっぱら95%の場合、1000人を対象にした調査結果はプラスマイナス3%の誤差の範囲で正確だと説明している。これはつまり、調査結果の数字は3%高いか3%低い可能性があることを意味する)

(英語記事 Election 2017 poll tracker: How the parties compare