2017年06月06日 10:30 公開

ロンドン警視庁は5日、ロンドン中心部を襲った3日夜の攻撃について、現場で射殺した実行犯3人のうち2人の氏名を公表した。

調べによると、パキスタン出身でロンドン・バーキング在住だったクラム・バット容疑者(27)は、以前から英情報局保安部(MI5)と警察に認識されていたが、攻撃計画について情報は得られていなかったという。

もうひとりはバーキング在住のラシード・レドゥアン容疑者(30)で、警察によるとモロッコ系リビア人。レドゥアン容疑者は調理師で、「ラシード・エルクダー」の別名も使っていた。警察には認識されていなかった。

英PA通信は、射殺された時点でレドゥアン容疑者はアイルランド国内発行の身分証明書を所持していたと伝えている。

アイルランドのエンダ・ケニー首相は、アイルランド警察が過激化の疑いで監視している「少人数」にレドゥアン容疑者は含まれていないと述べた。

ロンドン警視庁のマーク・ロウリー警視監は、「もう一人の共犯の身元確認作業を続けている」と述べた。バット容疑者については2年前から捜査していたが、「今回の攻撃が計画されているという情報はなく、捜査の優先順位はそれにもとづき決められていた」と説明した。

「容疑者たちとその関係、他人から協力や支援を受けていたのかを理解するため、捜査を続けている」

2人は現場で警察に射殺された。事件翌日にバーキングで逮捕された12人は全員、不起訴で釈放された。

事件ではロンドン橋の歩道に乗り上げたワゴン車と刃物を持った男3人に攻撃され、7人が死亡し、48人が負傷した。英国民保健サービス(NHS)イングランドによると、負傷者のうち36人が今でも入院中で、そのうち18人が危篤という。

5日夜には、ロンドン橋に近いポッターズフィールド公園で、追悼集会が開かれた。

年上のきょうだいがおり、少なくとも子供が一人いたバット容疑者は、英チャンネル4製作のイスラム過激主義に関するドキュメンタリー番組に登場していた。服役中のイスラム教指導者アンジェム・チョウダリ受刑者とつながりがあったとされる。

番組では、バット容疑者が道端で警官と口論する様子が撮影されていた。

インターネット上に掲載されている履歴書によると、バット容疑者は経営術で全国職業資格(NVQ)2級を取得していた。ケンタッキー・フライド・チキンの店舗管理などを請け負うイーストハムの企業オーリガ・ホールディングスで、総務の仕事に就いていた。ロンドン交通局によると、昨年10月に退職するまで半年間、利用者応対係の見習いとして働いていた。すでに清算済みの「クール・コスメティクス」という会社の唯一の役員だったこともある。

BBCのドミニク・カシアーニ内務担当編集委員は、バーキング地区では住民2人がバット容疑者について懸念を明らかにしていたと指摘する。一人の男性は2015年に対テロホットラインに通報し、女性は容疑者が自分の子供たちを過激化しようとしていると恐れて地元警察署に相談しにいったという。

捜査対象として優先順位が低かったのは、具体的な攻撃計画に関与しているという情報が得られていなかったからだと、カシアーニ記者は指摘する。

(英語記事 Two London attackers named by police