2017年06月06日 15:26 公開

フィリピン南部ミンダナオ島のマラウイ市を先月占拠したイスラム教過激派が、地下トンネルや地下壕に食料や武器を貯蔵し、長期戦の準備をすすめていることが明らかになった。

政府軍と過激派との戦闘が2週間前から続くなか、市民20人を含む170人が死亡し、住民18万人以上が避難した。

市内では依然として、多くの市民が避難できず、物資が乏しい状況に置かれているとみられている。

空爆を実施しているフィリピン政府は過激派掃討に進展があったとしているが、マラウイ市を完全には掌握できていない。

西ミンダナオ地域の軍司令部を統括するカルリト・ガルベズ少将は記者団に対し、何年も前に建設された広大な地下施設網に戦闘員らが潜伏しているとの見方を示した。同少将は、「500ポンド爆弾でさえ破壊できない地下トンネルと地下壕が存在している」と語った。

フィリピン政府と軍は、マラウイに推計40人から200人の戦闘員が残っていると考えている。

さらに、武装勢力は包囲に対応できる態勢を整えているとみられ、空爆対象から外れたモスクや宗教学校に、マラウイ市占拠の何日も前から物資を蓄えていたもようだ。

このほかの動き

  • フィリピン政府は軍の兵士らが市内で略奪行為を行っているとの批判を否定。兵士らは、戦闘員が占拠していた家屋で見つかった7900万ペソ(約1億7550万円)以上の現金と小切手を提出していると指摘した。
  • ロドリゴ・ドゥテルテ大統領は、武装勢力の指導者のイスニロン・ハピロン容疑者とマウテ兄弟の「制圧」に対する報奨金を総額2740万ペソに引き上げると発表した。これとは別に、米国はハピロン容疑者の拘束に500万ドル(約5億5000万円)の報奨金を提示している。
  • 米国はフィリピンに機関銃や手投げ弾発射装置を提供しており、マラウイでの戦闘にも使用されるとしている。
  • 当局によると、マラウイを占拠した戦闘員らには外国人も含まれる。サウジアラビアやインドネシア、マレーシア、イエメン、ロシアのチェチェン共和国の出身者がいるという。

フィリピン軍報道官のホアール・ヘレラ中佐はAFP通信に対し、少なくとも1カ月分の食料に加えて、機関銃といった武器が貯蔵されていると語った。

地元紙フィリピン・インクワイアラーは、エルネスト・アベラ大統領報道官の話として、戦闘員らがマラウイ市の刑務所や武器庫を襲った際に弾薬や物資を手に入れていると報じた。

今回の武装衝突が始まった際に当局は、フィリピン軍がハピロン容疑者の拘束に失敗した後、過激派組織のいわゆる「イスラム国」(IS)に忠誠を誓う過激派「マウテ」がマラウイ市に攻め込んだと説明した。

集団の名称は、集団を創設したアブドラ、オマル・マウテ兄弟の名前からとられている。

(英語記事 Marawi siege: Philippine militants 'stockpiled food and weapons'