田中秀臣(上武大ビジネス情報学部教授)

 元SMAPのメンバーのうち稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾の3人がジャニーズ事務所から離れるという報道が解禁になった。スポーツ紙中心の一斉報道であり、相変わらずのジャニーズ事務所への「忖度」を表したものだ。例外は、アイドル評論家の中森明夫氏であり前日に自らのTwitterでこの情報を流し、ひとり「官製報道」に抵抗した。残念ながらごく一部を除いて、SMAPについての報道には、日本のマスコミにジャーナリズム精神はない。

 3人の事務所の脱退に際して、ジャニー喜多川氏は、「SMAP(SPORTS MUSIC ASSEMBLE PEOPLE)の名前は5人を応援してくださってきたファンの方々のための名前として「(S)すばらしい(M)MEMORIES(A)ありがとう(P)POWER」と表現しました」とのコメントを報道各社に送っている。

元「SMAP」の稲垣吾郎さん(43)、草彅剛さん(42)、香取慎吾さん(40)の3人との契約終了について、ジャニーズ事務所のジャニー喜多川社長が発表したコメント
元「SMAP」の稲垣吾郎さん、草彅剛さん、香取慎吾さんの3人との契約終了について、ジャニーズ事務所のジャニー喜多川社長が発表したコメント
 さらに各社の報道では、独立した3人がSMAPの元マネージャーである飯島三智氏とともに芸能活動を継続するとの観測も流れている。一方で、ネット上では、独立する3人が現在出演している番組の打ち切り情報も流れて、今後どうなるのかまだわからないことが多い。もちろん事務所に残る中居正広、木村拓哉のふたりのこれからも気になるところだ。

 そしてSMAPが解散したのみならず、そのメンバーが同一の会社組織から離れてしまうということは、企業ベースでみたときのSMAPブランドの終わりということにもなる。もちろん我々の心の中のSMAPに終わりはない。だが、再結成も含めて、五人で集まる姿を見ることは、日本の芸能市場の閉鎖的なあり方からみれば、もう不可能である。残念だ。

 SMAPは私たちの時代を象徴できたただひとつのアイドルグループだった。いや、アイドルグループという狭い縛りよりも広い意義をSMAPは担ってきた。評論家の中川右介は「それなりに長い平成という時代、ずっとトップの地位を保っていたのは、天皇とSMAPしかいない」(『SMAPと平成』朝日新書)、と述べている。それほど平成という時代とSMAPは一体化していた。中川は、SMAPの役割を日本の芸能史の劇的変化としてとらえ、天皇陛下と同様に「国民統合の象徴」にまでなったと断言している。