中森明夫(アイドル評論家、作家)

 元SMAPの香取慎吾、稲垣吾郎、草彅剛の3人が9月に独立することを私が報道に先駆けてツイッターで伝えたのは、一連の報道に大きな問題があると感じたからです。
中森明夫氏が6月18日に伝えた「元SMAPメンバー3人の独立報道」のツイート
中森明夫氏が6月18日に伝えた「元SMAPメンバー3人の独立報道」のツイート
 昨年8月の解散発表と同じく、この報道で業界全体で情報解禁時刻を設定するようなやり方は、誘拐事件での報道協定ならまだしも、世の中の決まりでもないのに非常にナンセンスです。実際、スポーツ各紙が横並びで1面を飾ったわけで、その時点で記事はできていたということになります。むしろ、私以外の人がツイートしない方が不自然であり、解散や独立情報を知っていた人は大勢いたはずなのに「忖度(そんたく)」していたわけです。そんな人たちの報道をファンが信用するとは思えません。

 「安倍一強」の政界でも、文部科学省の前川喜平前次官のような掟(おきて)破りの人が出てくるのに、ジャニーズの問題になるとファンをないがしろにして、完全に統制されてしまう。芸能はエンターテインメントである以上、ファンがあっての世界だから、私自身がおかしいと思ったので伝えたわけです。解散のときにもフライングでツイートしましたが、SMAPファンからは「本当に大丈夫か」「デタラメ言うな」「アイドル評論家辞めろ」と反発があり、ツイッターが少し炎上しました。でも、解散発表が出て私が言っていることは事実だと分かってくれました。

 SMAPは戦後、最も偉大なアイドルグループだと私は思っています。28年間トップを走り続けるグループなんて、芸能界を見渡しても歴史上ありません。そのグループが解散するというときに、彼らの記者会見もインタビューもなく、ファクス1枚のペラだけが送られ、芸能担当記者が黙ってそれを記事にするなんて信じられません。SMAP解散という事実より、真相が見えてこないことにファンはいらだちを隠せないというのが本音なのではないでしょうか。

 そういう意味では今回も同じです。先週、『週刊新潮』にSMAP独立の記事が出たとき、ファンは本当なのかヤキモキしていたわけです。スポーツ各紙に情報が一斉解禁されても、ジャニーズからのファクスとジャニー喜多川社長のメッセージがあるだけで、結局本人たちのコメントはどこにもありません。私もスポーツ紙やワイドショーを確認しましたが、中居正広のジャニーズ残留についてスペースを割いているだけでした。「SMAPを存続させたい」「大物スポーツ選手に説得された」などとの報道もありましたが、現時点ではそれが真実かどうかも分からない。だからこそ、一連の記事は事務所サイドの承認を得て報じられたものだと、ファンも半信半疑なんだと思います。