このように、諜報特別委員会の公聴会は非常に大きな関心を集めたが、結果的に内容に関しては「肩透かし」であったといえる。そのため諜報特別委員会は再度、コミー氏の召喚を検討しているとも伝えられており、まだまだコミー証言の波紋は続きそうである。

 では、この一連の事態を国民はどう見ているのか。米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』とNBCの共同世論調査(5月11日から13日に実施)では、コミー氏解任に関して回答者の29%が「支持する」、38%が「支持しない」、32%が「分からない」と答えている。今のところ、米世論は「支持しない」が多数派である。

 ただ、党派別にみると、共和党支持者の58%が支持しているのに対して、民主党支持者の66%が容認できないと党派で評価が大きく分かれている。無党派では、支持は21%、不支持は36%であり、これが標準的なアメリカ人の評価といえる。 

 また、6月7日に『ワシントン・ポスト』とABCの共同世論調査の結果も発表された。調査はコミー氏の公聴会前(実施日は6月2日から4日)に行われたものである。調査では「トランプは2016年の大統領選挙にロシアが介入した可能性に関する捜査に協力していると思うか、あるいは捜査を妨害していると思うか」との問いに対して、全体の56%がトランプ氏は捜査妨害を行っていると答えている。政党別の支持者でみると、民主党支持者の87%、無党派の58%、共和党支持者の17%がトランプ氏の捜査妨害を肯定した。
公聴会で証言するコミー前FBI長官=2017年6月
公聴会で証言するコミー前FBI長官=2017年6月
 このようにトランプ大統領に対する信頼は大きく低下している。ただ、共和党支持者のトランプ支持が依然高いことも注目すべきである。トランプ大統領が強気の姿勢を取っているのは、こうした背景があるのかもしれない。 

 さらに、6月8日に行われたロイターの世論調査では、トランプ大統領支持が38%、不支持が58%であった。ギャロップの調査(6月8日)でも、同様に不支持率は58%、支持率は37%と、ロイター調査とほぼ同じ結果であった。ギャロップ調査では、3月28日に不支持率が大統領就任後最低の59%を記録したが、今回の調査結果はそれに続くものであった。政権発足後、4カ月余りで不支持率が60%というのは異常といっていい数字である。