仲新城誠(八重山日報編集長)

 今月、沖縄のある自民党関係者と話す機会があり「『オール沖縄』はもうそろそろ終わりでしょう」という話題で盛り上がった。「オール沖縄」は翁長雄志知事を支持し、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対する勢力だ。翁長知事が誕生した知事選以降、沖縄でのあらゆる国政、県政選挙を制し、沖縄の政界を席巻した。

 しかし、ここへ来て明らかに潮目が変わりつつある。政府が4月、辺野古の護岸工事に着手したためだ。今後、移設工事は後戻りできない段階まで進む。「オール沖縄」には共通の政治理念もなく、さまざまな政党や団体が移設反対という一点だけで結集しているに過ぎない。今後も民意をつなぎとめられるか、正念場である。

 だが、当の沖縄で「オール沖縄」の終焉(しゅうえん)を感じている県民は、どれほどいるだろうか。沖縄メディア、全国メディアを問わず、相変わらず辺野古移設問題で「沖縄が政府にいじめられている」と印象操作する報道があふれかえっている。

 県紙「沖縄タイムス」「琉球新報」を開けば、正義の「オール沖縄」が負けるはずがない、と言わんばかりの強気の記事ばかりだ。最近では、近く工事の差し止め訴訟を起こす翁長知事の主張が、法的にいかに正当であるか力説する記事をよく見かける。しかし、実際のところ移設反対運動は、現場レベルで県民にどこまで支持されているのか。

 辺野古の米軍キャンプ・シュワブ前では、工事を実力で阻止しようと反対派が座り込んでおり、機動隊から連日のように排除されている。私の見たところ、反対派は20~30人と言ったレベルであり、機動隊を押し返すほどの勢いはない。
米軍キャンプ・シュワブのゲート前で、機動隊員に排除される普天間飛行場の辺野古移設反対派=2017年4月
米軍キャンプ・シュワブのゲート前で、機動隊員に排除される普天間飛行場の辺野古移設反対派=2017年4月
 反対派リーダーは、辺野古での集会で「現場に多くの人が集まることで工事を遅らせることができる。毎日200人、300人集めたい」と呼びかけているが、一般県民が平日の朝から、仕事を休んでまで反対派に呼応するはずがない。

 過激な反基地運動が一般県民のレベルで広がるきざしはなく、最前線で活動しているのは一握りの特殊な人たちである。多くはリタイヤ組と思われる高齢者たちだ。話すと一応は沖縄出身者だが、現役時代から労働組合運動に打ち込んできたような、バリバリの思想傾向の人たちが中心のようだ。