2017年06月26日 12:15 公開

英政府は25日、イングランド25行政区の公営高層住宅60棟で、外装材が防火検査に不合格だったと明らかにした。14日未明にロンドン西部で発生した「グレンフェル・タワー」火災を受けて、政府は最大600棟の外装材を検査する方針。

英政府は21日から、高層住宅の外装材を検査のため提出するよう各地の行政当局に指示。コミュニティー・地方自治省は、これまでに検査したすべての高層住宅で外装材が不合格だったと説明した。

同省は行政区に、検査を優先させるべき建物を指示。すべての建物が公表されたわけではないが、同省は検査が必要な住宅のある14行政区の名前を明らかにしている。

ロンドンでは7行政区で14棟が要検査となった。北部カムデン区では「チャルコッツ団地」5棟の検査が指示され、そのうち4棟(650戸)の住民が避難。外装材が基準に満たなかっただけでなく、ほかにも防火扉やガス管などについて複数の防火基準違反があったという。北西部ブレント区では1棟の外装材が不合格だったが、スプリンクラーなど防火設備が設置されているため、ロンドン消防庁は住民の避難は不要だと判断を示した。

ロンドン以外でも、イングランド北部マンチェスターやサルフォード、ドンカスター、北東部サンダランドとストックトン・オン・ティーズ、東部ノリッチ、南部プリマスで19棟が検査で不合格となった。

このほかにも、サルフォードの公営高層住宅9棟で外装材を取り外すことになり、リバプールでは民営の高層住宅で外装材が検査基準に不合格となった。

カムデンでは200人が避難拒否

ロンドン北部のカムデン区によると、23日夜の時点で「チャルコッツ団地」4棟の住民の大半は避難したものの、高層住宅に住む約200人が避難を拒否。区はこの住民たちに、改修工事のため一時退避「しなくてはならない」と通知したという。

チャルコッツ団地の高層棟は、少なくとも79人が死亡したグレンフェル・タワーと類似の外装材を使用しているため、消防庁は安全性を保証できないと区に伝えた。

カムデン区議会のジョージア・グールド議長は、退避を拒否する住民に区の担当者が個別訪問して状況を説明し、ホテルや他の区営住宅を一時避難先として提供すると話した。

「カムデン区として検討可能な法的措置もいくつかあるが、それは本当にやりたくない」とグールド氏は述べた。

「ほとんどの住民には、避難する意志はある。適切な滞在先の提供を待っているだけだ。みんな怖がっていて、もとの家に戻れる保証を求めている。(略)行政としては、住民と協力して解決策を見出すのが正しい方法だ」

チャルコッツ団地では2006年から2009年にかけて、大規模修繕が行われた。施工業者は、2015~2016年のグレンフェル・タワー大規模修繕を担当したのと同じ、ライドン社だった。

(英語記事 More high-rises fail fire safety tests