2017年06月29日 11:36 公開

鹿児島県奄美大島の奄美空港で今月、格安航空会社(LCC)バニラ・エアの飛行機に搭乗しようとした車いすの男性が、階段式のタラップを腕を使ってはって上る事態になっていたことが明らかになった。

男性の木島英登(ひでとう)さん(44)は、奄美大島に到着した際には同行していた友人たちが車いすごと木島さんを担いで降機した。しかし、関西空港に向かう帰りのフライトでバニラ・エアの業務委託を受けた空港職員に、車いすを担ぐのは危険だと制止され、自力で階段を昇降できるならよいと言われたという。

このため木島さんは車いすを降り、階段を腕を使って上がった。車いすは友人が運んだ。

一部の航空会社は、支援が必要な利用客に事前連絡をするよう求めている。しかし、木島さんは自身のブログで、「事前連絡をすれば、まず乗れなかった」との考えを示している。

バリアフリーの助言業務などを行う非営利団体(NPO)、バリアフリー研究所(大阪府豊中市)の代表を務める木島さんはまた、障害者の旅客に対応できる施設がない場所でも、これまでは友人の助けを借りたり、航空会社や空港職員の支援を受けてきたと書いている。

1990年に高校のラグビー部の練習で脊椎(せきつい)を損傷し下半身不随になった木島さんは、車いすを使うようになって以来、158カ国で200以上の空港を利用しているという。

新たな措置

木島さんは日本テレビの取材に対し、厳しい規定に「驚いた」と話し、空港職員には間違った対応をしているという意識はなかったのだろうかと語った。

ANAホールディングス傘下のバニラ・エアは木島さんに謝罪し、奄美空港で車いすの利用客を支援するため、新たな措置を取ると発表した。

同社のウェブサイトには、搭乗に支援が必要な人が奄美空港を利用する際、搭乗ブリッジは提供できないものの、アシストストレッチャー(階段昇降器)を提供すると書かれている。

同社広報担当者はAFP通信に対し、木島さんに辛い経験をさせたことを申し訳なく思う、と語った。

今年に入り、飛行機利用客への対応をめぐる問題が何度か起きている。

4月には米シカゴ・オヘア国際空港で、離陸前のユナイテッド航空機からベトナム系米国人の医師がオーバーブッキングのために降機を要請されたものの、拒否したことから空港警察によって力づくで降ろされるという事件があった。

ユナイテッド航空の対応には、多くの批判が集まった。同社は席を明け渡す際の規定を変更し、医師に謝罪した

(英語記事 Japanese airline forces disabled man to crawl aboard