Mich Maruyama(新潟県)

 14日の投票日に向け、衆院選各候補の選挙活動は活発化している。

 安倍首相は主に消費増税延期の判断、そしてアベノミクスについて国民の信を問いたいとして衆院を解散したが、安倍内閣によって劇的に変化した外交政策も有権者の評価の対象とされるべきだろう。

 これまでの外交では、中国、韓国などが日本の政治家の言動、政策等に不満を抱き、首脳会談が開かれない状態に陥ると、特定の政治家、メディアなどが騒ぎ立て、首相の責任を追及するのがお決まりのパターンだった。それに抗しきれず、首相も相手国に言われるがまま土下座外交を繰り返すのが日本外交の歴史だったと言えよう。

 しかし安倍首相は、外交においては「友好は手段であり、目的ではない」という持論のもと、首脳会談開催に際して条件を付ける中国、韓国の主張を受け入れず、一方で「対話のドアは常に開かれている」とし、日本は対話に前向きだが、相手国が頑ななのだ、という点を世界に発信してきた。

 中国は日中首脳会談開催の条件として、尖閣諸島の領有権を巡る論争が存在すること、靖国神社には参拝しないと公の場で発表することを求めていた。しかし安倍首相は譲らず、逆に中国側は、APECで首相が中国を訪れるにも関わらず、首脳会談を拒み続ければ、中国は国際社会から「失礼な国」と見られることを恐れ、結果として、11月10日、日中首脳会談開催へと至った。中国メディアは、安倍首相からの再三の会談要請を中国側が「聞いてやった」と報じたが、中国が事実上、日本側に突き付けていた条件を取り下げ、首脳会談に応じたのは紛れもない事実だと言える。

 ここで重要なことは、第一に、第2次安倍内閣成立以降、上述の首脳会談が開催されるまで約2年間、首脳同士の交流がなかったことで何か不都合があったのか、ということだ。これは対韓国に関しても同様だが、首脳会談が開催されなくても全く問題は生じなかった。

 第二に、中韓がいくら日本を非難しようとも、日本が筋の通った対応さえしていれば、理不尽な主張は国際社会では理解されず、逆に国際世論から非難の対象となり得ることも明らかになりつつある。こうした点を浮き彫りにした安倍外交。有権者はこの点も衆院選における評価の対象に加えるべきだろう。

 このような安倍首相による「信念外交」と対極にあるのが、尖閣諸島中国漁船衝突事件の際、司法への介入まで行って中国に迎合した、当時の菅首相、仙谷官房長官らによる「売国外交」だろう。そうした愚かな行為は、結局、国益に何ら寄与することなく、むしろ特アを増長させる結果を招いたことは明白だろう。

 民主党がいかなる主張を行おうとも、このような政党に国家の安全保障を託せるはずがないということは自明であり、もしこうした勢力に再度この国の舵取りを任せたならば、間違いなく日本国崩壊へと導かれることになるだろう。

 民主党はそうした事実には頬かむりをして安倍内閣を攻撃し、あるいは甘言を弄して国民を取り込もうとしているが、主に自身の現状への不満などから、残念ながら一定数はそれを支持するナイーブな有権者がいることも事実だろう。

 民主党、あるいはそれに類する左翼政党が政権与党になったとしても、彼らが語るようなバラ色の未来が訪れることは決してない。万一ある個人の生活が多少改善されることがあったとしても、国が外国勢力によって支配され、主権国家足り得ないのであれば、純粋な日本国民が幸せになることはあり得ない。

 よく「外交は票にならない」と言われるが、魑魅魍魎が跋扈する国政政治の中で、日本の確固たる地位を維持・拡大していくことこそが、真の意味で日本人の幸福に繋がるものと考える。そういう意味で、有権者は地元の、あるいは目先の利益のみを考えるのではなく(もちろんそれも重要ではあるが)、国益に資する外交を行うことができるのはどの政党、政治家なのかを見極める必要があるだろう。我々の一時の判断が、将来を生きる子供たち、そしてこの国の将来を左右するのだということを忘れてはならない。