2017年06月30日 14:18 公開

過激派組織のいわゆる「イスラム国」(IS)の掃討作戦が続くシリア北部ラッカで、米国が支援するクルド系とアラブ系の連合勢力「シリア民主軍」(SDF)は29日、ISを完全に包囲したと明らかにした。

ISは2014年に占拠したラッカを「首都」と称し、最も重要な拠点としている。

SDFはラッカから南に逃走できる道を封鎖したと述べた。

SDFは昨年11月以来、ラッカに向かって段階的に進攻し、ラッカ奪回の攻撃を今月6日に開始した。

ロンドン拠点の民間団体「シリア人権監視団」は、ラッカとつながるすべてのルートが遮断されたことを確認した。

米主導の対IS有志連合「生来の決意」の報道官ライアン・ディロン米陸軍大佐は、SDFが「ラッカに南から入る高速道路すべて」を支配下に置いたと述べた。

ディロン大佐は、IS戦闘員たちが「指導者たちに見捨てられ、町の複数の方向からSDFの攻勢を受けている」と語った。

同大佐はさらに、SDFが今週、ラッカとその周辺の19.4平方キロメートルの地域でISを排除したと述べた。

SDFのクルド人戦闘員、アリ・シェルバン氏はクルド系メディア「クルディスタン24」に対し、「町の中心部は完全に包囲され、我々の勢力は全方向から攻めている」と語った。

SDFによると、ラッカ市内で縦横に広がるトンネル網をISが使っていることが分かったという。

SDF戦闘員バべ・デリル氏は、「(ISの)民兵たちは、我々の前進を遅らせるために直接戦うのではなくて、自爆攻撃や地雷を使っている」と話した。

有志連合は、ラッカを占拠した数カ月後の2014年6月にカリフ制国家の樹立を宣言したISにとって、ラッカ奪還は大きな打撃になるとしている。

今回の戦闘はラッカに住む民間人にとって残酷な状況を生んでいる。

国連は28日、今月だけで少なくとも173人の民間人が死亡していると指摘。実際の犠牲者数はもっと多い可能性があると述べ、「迅速な軍事的勝利のために民間人を犠牲にしてはならない」と協調した。

ラッカでは最大10万人が市内で足止めされているもようで、ISが民間人を避難させないようにしているとの情報が繰り返し伝えられている。

ラッカ市内には最大4000人のIS戦闘員が立てこもっているとみられる。

シリアで6年以上続く戦闘の結果、30万人以上が命を失い、1100万人が住まいを追われた。最初はバッシャール・アサド大統領に対する抗議デモだったものが内戦に発展した。

(英語記事 Syria war: US-backed forces 'surround IS in Raqqa