昔から選挙目当てで寄ってくる集団を「選挙互助会」と呼ぶ。新味があるとすれば、小池塾の出身には期待できる。選挙前から小池氏もここを売りに「素晴らしい人たち」「専門家の集まり」と宣伝していたので、そこは額面通り受け止めたい。

 ただ小池氏と同じように、メディアファースト志向が強い点がどうも気になる。テレビ映りだけを気にして行動する。都政に役立つ仕事ができるのか、この先はチェックしたい。ただ、こうした新党なりブームで当選した新人に危惧されるのは、いま自民党2回生議員を中心に起きている、いわゆる「安倍チルドレン」の相次ぐ不祥事だ。

 名前はいちいち挙げないが、この人たちが最初に当選したのは2012年の解散総選挙である。民主党(当時)から自民党が政権を奪回したあの選挙で、大量の新人議員が「安倍ブーム」の中で当選した。これら新人議員の誕生に共通して言えるのは、特定の政治思想や政治家に強く感銘を受けて議員を志したというより、むしろ特定の権力者が自分や所属する党会派の勢力を拡大するために大量の新人を立候補させる必要があったということである。つまり、たとえ「粗製乱造」であっても、頭数を必要としてやむなく公認した人たちも相当含まれているという事実だ。
 当選確実の報道を受け千代田区の石川雅己区長に譲り受けていた緑色のネクタイを返却する「都民ファーストの会」の樋口高顕氏(左)=7月2日、東京都千代田区(松本健吾撮影)
 当選確実の報道を受け千代田区の石川雅己区長に譲り受けていた緑色のネクタイを返却する「都民ファーストの会」の樋口高顕氏(左)=7月2日、東京都千代田区(松本健吾撮影)
 では、都民ファーストの会はどうか。新人議員を多数誕生させる必要があるときには、じっくり人物を見極める暇などなく、粗製乱造がどうしても避けられない面がある。今後、国政の前例のような問題が都議会で起こらないか。もちろん起こらないよう望むが、果たしてどうだろうか。それは小池都政の今後に暗い影を落とすことになろう。とはいえ、「小池チルドレン」は大量当選した。どんな新機軸を打ち出し、都議会を、そして都政をどう変えて行くのか、「うっかり1票、がっかり4年」という言葉が都政史にはある。都議選が終わり、新しい時代の都政へ新たな扉が開かれることを期待したい。