2017年07月05日 18:19 公開

ベトナムは中国と領有権を争う海域内で石油の掘削を開始した。石油業界関係者が明らかにした。

業界コンサルタントがBBCに語ったところによると、国際企業タリスマン・ベトナム社と契約した掘削船がベトナム南東部沖で掘削を行っているという。

先月、訪越していた中国の范長竜・中央軍事委員会副主席が日程を切り上げて出国したのも、これに関連している可能性がある。

中国は南シナ海のほぼ全域に対する領有権を主張しているが、ベトナムを含む近隣各国と一部の島々や岩礁の領有権をめぐって争っている。

シンガポールのコンサルタント会社モイスのイアン・クロス氏は、掘削船の「ディープシー・メトロ1」がベトナム沿岸から約400キロ離れた海域での掘削を、先月21日に開始したと語った。

極めて慎重を要する内容のため、掘削開始の事実が伏せられていた可能性がある。

ほかの石油業界関係者らはBBCに対し、タリスマン・ベトナムは過去3年にわたって掘削許可を求めていたものの、中国の反発を避けたい当局が許可していなかったと話した。

問題となっている海底の地点は、ベトナムが「ブロック136-03」と呼んでいるが、中国は別の名称「ワンアンベイ21」を使っており、それぞれ別の会社にリース権を与えている。中国は2014年に香港のブライトオイル社にリース権を与えた。ブライトオイルの役員のうち2人は中国共産党の幹部も務める。

タリスマン・ベトナムは当初、カナダのタリスマン所有だったが、タリスマンがスペインのレプソルに買収されたことを受けて、2015年からレプソル傘下となっている。

范長竜・中央軍事委員会副主席は最近、レプソルが本拠地とするマドリッドを訪問している。中国当局がレプソルに抗議をしたのかどうかについてのBBCの取材に、同社はコメントしなかった。

2014年には、西沙(パラセル)諸島に近い南シナ海の別の海域で、ベトナムと中国双方の沿岸警備隊を含む船の間で衝突が起きている。

(英語記事 Vietnam drills for oil in South China Sea