2017年07月08日 8:14 公開

主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が開かれているドイツ・ハンブルクで7日、ドナルド・トランプ米大統領とウラジーミル・プーチン露大統領が初会談した。昨年の米大統領選にロシアがハッキングなどで介入したとされる疑惑についても話し合ったという。

同席したレックス・ティラーソン米国務長官は、両大統領の会談は「活発」だったと記者団に説明。同様に同席したセルゲイ・ラブロフ露外相によると、ロシアはこれに関与していないというプーチン氏の説明を、トランプ氏は受け入れたという。

「大統領は会談冒頭でプーチン大統領に対して、2016年大統領選へのロシア介入を米国民が気にしていると伝えた」とティラーソン長官は記者団に述べた。「この件について二人は非常に活発に、長いこと話し合った。大統領は何度かプーチン大統領に、ロシアの介入について強く尋ねていた。プーチン大統領はこれまでと同様に、そのような介入はないと否定した」。

ティラーソン長官は両大統領のやりとりをこのように説明した上で、実際に何があったのか両国がいつか合意できるようになるのかは不明だと付け足した。

「厄介な意見対立になりかねない問題から、どうやって前に進むべきか。大統領はそこに注目しているし、それは正しい判断だと思う」と長官は述べた。

予定時間を超えて2時間15分近くに及んだ首脳会談で、両大統領はほかにシリア紛争やテロ、サイバー・セキュリティーなどについても話し合ったという。

ティラーソン長官によると、両首脳は「あっという間に意気投合」した。「二人は明らかに相性が良かった。議題は非常にたくさんあり(略)ほとんどすべての話題に触れることができた。(略)二人ともずっと話し続けていたかった」のだという。

「ある時点で会談を終えるきっかけにならないかと、ファーストレディ(メラニア・トランプ夫人)が送り込まれてきたのだが、それも成功しなかった。そのあとさらに会談は1時間続いたので。明らかに(メラニア夫人は)失敗したわけだ」

ラブロフ外相は「トランプ大統領は確答を得たと言った。(略)つまりロシア当局は(米大統領選に)介入しなかったと。大統領は、その発言を受け入れると言った」と記者団に説明した。

ラブロフ氏のこの発言が正確か、退出間際に記者に質問されたティラーソン長官は、回答を避けた。

会談冒頭のみ、報道陣の撮影が許された。その場でトランプ氏は並んで座るプーチン氏に手を差しのべ、「ご一緒できて光栄です」と声をかけた。

これに対してプーチン氏は、「面と向かって会えてとてもうれしいです」と答えた。

さらにトランプ氏は記者団に「プーチン大統領と僕は色々なことを話し合ってきた。とてもうまくいっていると思う。とても、とても良い話し合いを何度かしてきた。今から話し合って、もちろんそれは続く。ロシアと米国と関係する全員にとって、とても前向きなことがたくさんあるだろうと期待している」と述べた。

プーチン氏は通訳を通じて、これまでは電話会談だったが、直接面と向かって会う方がずっと良いと述べた。

首脳会談以前の両大統領は、多くの重要課題について対立する意見を表明していた。

  • トランプ氏は6日にワルシャワで演説し、ロシアに対して、ウクライナなどの国々を「不安定化」させるのはやめ、「責任ある国々のコミュニティーに加わる」よう呼びかけていた
  • 独経済紙ハンデルスブラットに、G20における所信を寄稿したプーチン氏は、2014年クリミア併合を機にした米国主導の対露制裁を解除するよう呼びかけた
  • プーチン氏は、気候変動に取り組むためのパリ協定を強く支持し、「長期的な気候規制の安定した基盤だ」と評価。ロシアとして「その実施に向けて包括的な貢献」をしていきたいと表明した
  • トランプ氏は米国のパリ協定離脱を決定した

ファーストレディは「閉じ込められ」

G20サミットの主要議題は気候変動と世界貿易になる見通し。ハンブルクの会場周辺では激しいデモが続き、警官70人以上が負傷している。

トランプ氏とプーチン氏に抗議し、気候変動や国際的な経済格差に抗議する人たちを会場から遠ざけるため、ドイツ警察は水砲なども導入した。

激しい抗議行動のため、メラニア・トランプ夫人は一時的にホテルから出られない状態だった。メラニア夫人は他の首脳夫人たちと共に外出する予定だったが、「ハンブルク警察は外出許可を出すことができなかった」とステファニー・グリシャム報道官は話した。

メラニア夫人は、抗議集会での負傷者を気遣うツイートをした


<解説> ロシア側は歓迎――スティーブ・ローゼンバーグBBCモスクワ特派員

ここモスクワでは、米露首脳会談の雰囲気と結果を画期的だと大歓迎している。

ロシア議会の外交委員長は、この会談を機に「米露関係の衰退が止まる」だろうと予測している。

要するに、ウラジーミル・プーチンはウラジーミル・プーチンが求めていたものを手にしたのだ。つまり、対決ではなく互いの利益になる協力を重視する米国大統領を。2時間にわたって民主主義について自分に説教するような米国首脳ではなく、取引をしにやってくる米国首脳を。

いくつかの点で合意も得られた。シリアで協力すること。ウクライナについて。そしてサイバーセキュリティーの分野でも。

こうした諸々をクレムリンは、より大きい目標への第一歩と受け止めるだろう。米国とさらに広範な協力関係を築き、欧米の対露制裁を解除させるのが、ロシア政府の大きな目標だ。

とはいえ、忘れてはならない。ドナルド・トランプは米国内で、自陣営がモスクワとつながっていたという疑惑をめぐり激しい圧力にさらされている。ロシアの期待に応えられるのかどうかは、確実とはとても言い難い。


(英語記事 G20: Trump and Putin debate US election hack at first meeting