2017年07月13日 14:43 公開

ブラジルの裁判所は12日、ルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ元大統領に対し、収賄と資金洗浄の罪で禁錮9年6カ月の有罪判決を言い渡した。ルラ氏は控訴する方針。

裁判所はルラ氏の即時収監を命じなかった。

ルラ氏に対しては、国営石油会社ペトロブラスの入札で便宜を図った見返りとして、建設会社OASから海岸に面したマンション一戸を受け取ったとする疑いがかけられていた。

ルラ氏は、裁判の背景には政治的な動機があると主張し、不正行為はなかったと疑惑を否定している。

ルラ氏の弁護士は、「ルラ氏は3年以上にわたり、政治的動機による捜査の対象にされている。有罪を示す信頼性のある証拠は見つかっておらず、圧倒的な無罪の証しはあからさまに無視されてきた」と語り、控訴する考えを示した。

今回の判決はルラ氏に対する訴訟5件の中で最初のもの。

大統領選に再び立候補?

2011年までの8年間、大統領を務めていたルラ氏は、来年予定される大統領選で左翼・労働者党の候補としての出馬に関心を示している。

労働者党を率いるグレイシー・ホフマン上院議員は、今回の判決の目的はルラ氏の大統領選出馬を阻止することだとして批判した。

ホフマン議員は、労働者党は判決に抗議すると述べた。

リオデジャネイロで取材するBBCのケイティー・ワトソン記者は、ルラ氏は依然として国民に人気があり、判決はブラジル社会に深い分断をもたらすと指摘した。

ルラ氏らに対する汚職疑惑の追及は通称「洗車作戦」と呼ばれる。政治家の汚職に対する国民の怒りが高まるなか、過去最大の捜査が3年前に始まった。

捜査では、ペトロブラスの受注を見返りとして賄賂を受け取っていたとされる複数の会社に焦点が当てられている。賄賂は政治家の懐に入ったり党の裏金作りに使われたと言われている。

鉄鋼労働者だったルラ氏は、組合指導者を経て、2003年にブラジルで約半世紀ぶりの左翼の大統領に就任した。

大統領任期中、国民の人気は突出していた。バラク・オバマ前米大統領はルラ氏を、世界一人気のある政治家と評したことがある。

大統領の任期は2期までに制限されているため、側近だったジルマ・ルセフ氏が跡を継ぎ大統領に就任したが、2016年に弾劾裁判で罷免された。

現在大統領を務めるミシェル・テメル氏に対しても汚職疑惑が浮上しているが、退陣要求には応じていない。

(英語記事 Brazil's ex-President Lula convicted of corruption