近年のSNS動向を見ると、テキストでの交流から画像や動画による交流への移行が顕著だ。インスタグラムは初めから写真をベースにしており、時代が追いついたといえるかもしれない。さらに、海外の「セレブ」と呼ばれる女優やモデルが愛用し、日本の芸能人へと広がったことも流行した要因だろう。

インスタグラムの投稿
インスタグラムの投稿
 インスタグラムでも写真や動画に文章を付けることができるが、長文を投稿するユーザーはまれだ。「ハッシュタグ」という検索しやすくなるキーワードを付けて投稿する。鎌倉で撮影した海の写真なら「#鎌倉」「#sea」といった具合だ。ハッシュタグをタップすると、同じハッシュタグを付けている投稿が一覧表示される。フォロー関係にないアカウント同士でも、ハッシュタグ経由で投稿を発見し、「いいね」を通じて自然な交流が生まれることもある。

 若い女性はハッシュタグをいくつも付ける傾向がある。先の例で言えば、場所や名称のハッシュタグだけでなく、「#今年初めて」「#靴のセレクト失敗」「#ほんとは暑くて帰りたい」などと10個程度並べる人も少なくない。検索による投稿閲覧を目的にしているのではなく、個条書きのように書けば文章にするよりも簡単に思いを伝えられるからだろう。

 彼女たちがインスタグラムに投稿するのは、「盛れている」一枚だ。「盛れている」とは、現実よりもかなり良く写っている状態のこと。盛れていない写真は、インスタグラムの加工機能や別の写真加工アプリを駆使して、最高の一枚に仕上げる。「インスタ映え」するとされている、カラフルなスイーツや生クリームたっぷりのパンケーキ、海外ブランドのコスメ、セレクトショップの雑貨などの投稿が多く、真上から撮影している写真が多くみられる。

 自撮りを載せるときは、盛れる角度を探して何十枚もの写真を撮る。最近の流行は、「SNOW(スノー)」などの自撮りに特化したアプリで撮影した写真だ。自撮りアプリで撮影すれば、顔に動物のスタンプを施して目を大きくするといった、誰でもかわいらしくなる加工ができる。あからさまな加工を避けたければ、さりげなく美肌にし、顔の輪郭をすっきり整えるアプリもある。

 インスタグラムに投稿した写真は自分のプロフィル画面に並ぶため、数日前に投稿した写真が気に入らなくなったら、躊躇(ちゅうちょ)なく削除する。インスタグラムには常に自分のセンスが光るキラキラした写真のみが表示されるのだ。

 しかし、これでは「今」を共有できるこの時代においてタイムラグを感じるし、少し窮屈でもある。そこで多用されているのが「ストーリー」機能だ。