「ストーリー」は、24時間で投稿が自動的に消える機能だ。「エフェメラル」と呼ばれるこの機能は、海外で人気を集めた「Snapchat」というSNSに早くから採用され、2016年にインスタグラムもこの機能を追加した。若い女性にとって盛れている写真しか投稿できないインスタグラムだが、知り合いと繋がっている以上、たまには普段の自分も共有したい。そこで、自動で消えることで写真が残らず安心なストーリー機能を使うのだ。

 ストーリーには、静止画と動画が投稿できる。画像を文字やスタンプで飾ったり、他のアカウントへのリンクを設定する機能もある。

 ある女子高生は「スターバックスに行ったらインスタに投稿するけど、マクドナルドはインスタに投稿できない。でもストーリーならマクドナルドもあり」と言っていた。友達とマクドナルドでおしゃべりしている様子を他の友達に中継するために投稿することもあるそうだ。
 他にもストーリーには、インスタグラムらしからぬ投稿が行われる。黒い背景に愚痴をずらずらと書き連ねた画像や、彼氏とイチャイチャしている動画などだ。「消えるから」と投稿するのだが、投稿を見た人がスマートフォンの画面を撮影すれば、自分の知らないところに画像が残ってしまう。そのリスクは想像できるはずだが、それでも発信したい気持ちが勝つのだろう。

 実のところ、清らかな印象のインスタグラムにも怪しい投稿はある。セミヌードや性的なイメージを想起させる画像や動画、風俗店のアカウントといったアダルト系だ。ただしインスタグラムの規制は厳しく、ガイドライン違反をしたユーザーのアカウントはすぐに停止される。

 また、「ステマ(ステルスマーケティング)」の問題もささやかれている。若い女性は商品を購入するとき、検索エンジンでWebサイトを検索するのではなく、SNS内を検索することが多い。特にファッショングッズやコスメに関しては、インスタグラムの投稿を参考にする。100円ショップで買えるコスメの使用感やモデル以外の人が着ている洋服など、通常の通販サイトでは見られない写真やクチコミが見られるからだ。インスタグラムでフォロワー数の多いアカウントを持つ人は「インフルエンサー」とも呼ばれ、美容系のサプリやグッズを紹介することで購買促進に影響力を発揮するのだが、企業からの宣伝依頼であることを隠して投稿している「ステマ」もあるという。

 この問題にもインスタグラムは積極的に取り組んでいる。インフルエンサーがスポンサー企業の商品を投稿するとき、「XXX(ブランド名)とのタイアップ投稿」と表示される仕組みを提供することが発表されている。現状は少数のクリエイターや企業に限定して提供されているが、今後ガイドラインの公開とともに提供を拡大していく予定だ。

 おしゃれな女性誌を自らが編集するように楽しめるインスタグラムは、若い女性が憧れる世界の投影だ。いつまでも夢が続くように、今後も安心で健全な運営を期待したい。