本原稿は投票日に開票前(※編集部注 14日午後)の執筆なので、各議員の確定した当落が分かっているわけではありませんが、少なくとも各種調査と動向を見る限り与党の自民党と公明党の獲得議席は3分の2に迫る勢いということで、圧勝であることは間違いありません。

 その選挙結果を見据えて何を論ずるべきかといえば、私は間違いなく野党再編をどのように行い、民意の取りこぼしを少なくするか、これに尽きます。争点のない解散であったと評したところで、その選挙で実際に勝ったのは与党であり、勝たせたのは日本国民、有権者であって、国民の意志です。この時点で評価されたのは安倍政権であることを真摯に受け止め、与党は自信を持って国民のためになるであろう政策の実現と推進を、野党は敗因を見つめて必要な再編を行って国民の請託を受けられるような体制作りに邁進しなければなりません。

 勝った与党はさておき、勝負にならなかった野党にこそ日本の未来を見出さなければなりません。というのも、与党支持率は選挙戦を通じて40%台中盤を推移していたものが、選挙戦が白熱していくにあたって徐々に低下。投票日前日の調査では、確定値において34%から37%まで低下していきました。選挙戦を見ながら、有権者、とりわけ無党派層が自民党の主張や選挙展開を見て「自分が支持する内容ではない」と違和感を感じたことに他なりません。

 その低下した分を、民主や維新、次世代、共産などが上積みしたかというとほとんどそうはならず、推定ではありますがそのような人たちは「有力な候補者がいないので選挙にいかない」という選択をしている可能性が高くなっています。それが、今回の選挙での低投票率に繋がっており、国民は自民党への批判票の受け皿としてさえ、いまの野党を評価していないことの表れではないかと思うわけです。

 野党の再編のために必要なものはなんでしょうか。今回の選挙直前には、維新の会の低迷と次世代の党への分裂、さらにはみんなの党のお家騒動からの空中分解と、強い与党の結束とは裏腹にどうしようもない野党の実態をさらしたままの選挙戦になりました。

 この背景ははっきりしていて、ひとつは資金力の裏づけ、もうひとつが思想的なバックグラウンドが散漫なことです。勝っている政党や勢いのある政党であれば、政党に属していることそのものが資金も集票も見込める磐石な仕組みの歯車になることが議員の参画の動機になるのですが、資金源は将来曖昧であり、思想的にも寄せ集めの議員ばかりでは、どうしても政党としての結束力に欠けるだけでなく、保身のために、党ではなく自分の知名度を確保するための活動に精を出さざるを得ません。有権者の党への評価が低ければ比例で復活することもできない以上、自分の名前を投票用紙に書いてもらわなければ議席を失ってしまうからです。

 だからこそ、いまの野党に必要なことは思想的な裏づけのしっかり取れた、反自民の批判票を受け入れられるだけの統制の取れた党組織を次の選挙までにつくり、国民の期待に応えることです。「それができないから困っているのだ」と野党の本部の方は頭を悩ませておられるのでしょうが、国民・有権者が争点として上位に挙げているものを思い出してください。一位こそ「経済政策・雇用」ですが、次いで「年金・社会保障」「少子化対策」「エネルギー政策」「安全保障・日米中関係」となっています。野党は一番得意でない経済政策や雇用を争点に持ってきて惨敗しましたが、実は社会保障や子どもへの補助、安全で安心できるエネルギー政策といったところは野党が本来得意とするものではなかったでしょうか。財源問題とあわせ、次の時代の日本をどう考えるかを打ち出すことが、いま野党に求められていることだと断言できます。

 小選挙区制の恐ろしさは、わずかな支持率の違いを大きな獲得議席数に反映させるダイナミックな変革が起きやすいことにあります。もしも四年後かそれより前に選挙があるとき、少しでも自民以上の信任を野党が獲得できたならあっという間に政権奪還ができてしまいます。それまでの間に責任と能力の備わった野党であるために何ができるのか、いまじっくりと考えて再スタートを切って欲しいと、一人の日本人として願ってやみません。