2017年07月19日 11:51 公開

ドイツ南部レーゲンスブルクにあるカトリック教会の少年聖歌隊で約60年間に少なくとも547人の少年が虐待され、一部には性的虐待があったことが、18日に公表された新たな報告書によって明らかになった。

報告書は、1945年から90年代初頭にかけて49人の教会関係者が虐待に関わったとしている。時効が成立するため、容疑がかけられている人々が訴追される可能性は低い。

被害者たちは当時の虐待について、「監獄、地獄、強制収容所」のようだったと話している。

報告書をまとめたウルリヒ・ウェーバー弁護士によると、虐待はレーゲンスブルク大聖堂少年聖歌隊の付属高校などで行われていた。

虐待の関与が疑われている人物には、前法王ベネディクト16世の兄で、聖歌隊の指揮者だったゲオルク・ラッツィンガー氏が含まれる。

現在の93歳のラッツィンガー氏についてウェーバー氏は、同氏が性的虐待については知らなかったものの、虐待行為から「目をそむけ、止めに入らなかったと批判されてもしょうがない」と述べた。

1964年から94年にかけて聖歌隊を率いたラッツィンガー氏は、虐待の事実を知らなかったとし、同氏が役職に就いている間、「話題に上ったことはない」と語っている。

ラッツィンガー氏は過去に少年たちを平手打ちしたことがあると認めたものの、「あざができるような」ものではなかったと主張した。

レーゲンスブルク大聖堂少年聖歌隊は今回の報告書について正式にコメントしていない。

「沈黙の文化」

18日に報告書を公表したウェーバー氏は、60年間で500件の身体的虐待、67件の性的虐待があったことが分かったと述べた。

同氏は、一部の元聖歌隊員と連絡が取れなかったことから、実際の被害件数は700件に上る可能性があると指摘した。

さらにウェーバー氏は、虐待に関わったとされる49人が「沈黙の文化」の下にあったと語った。49人のうち9人が性的虐待に関わっていたという。

教会は、被害者たちに対して5000~2万ユーロ(約65万~260万円)を賠償金として支払うと提案している。

約1000年の歴史がある聖歌隊での性的虐待疑惑は2010年に初めて浮上。昨年出た報告書は231人が被害に遭っていたと認定した。

カトリック教会内では近年、世界各地で多くの虐待疑惑が指摘されるようになった。1990年代にはアイルランドで虐待が幅広く行われていたことが明らかになったほか、2000年前後には、10カ国以上で虐待疑惑が浮上した。

国連は、司祭らが子供を性的虐待の対象にするのを容認する政策をカトリック教会が「組織的に」採用していたと非難している。

(英語記事 Hundreds of German choir boys abused over six decades - report