ガバナンスが低空飛行を続ける一方で、絶好調なのが受信料収入と財務体質である。5月11日の定例会見で上田会長は、2016年度の決算速報と営業業績を発表した。事業収入は、計画を56億円上回る7073億円(うち受信料収入は6769億円)で、事業収支差金で280億円の黒字になった。
 営業実績を見ると、契約総数が51万4000件増(計画比102・9%)で4030万件に、BS契約は69万3000件増えて(同109・9%)2018万件となった。BS契約については2015年度実績が78万件増(同130・0%)で、BS契約の大幅増加が受信料収入増につながっているのが分かる。

 2017年度の計画は、契約総数50万件、BS契約60万件の増加を見込んでいる。「BS契約割合(BS受信可能件数に占める契約数)51%を目指す」(5月11日の定例会見)と上田会長の鼻息は荒い。世帯・事業所の契約総数、BS契約ともに順調に増え続けていけば、そう遠くない将来に受信料収入1兆円も見えてくるだろう。

 子会社からの受取配当金や全国に散らばる職員寮の固定資産売却益などの「その他の事業収入」も増え続けている。

 上田会長は、7月6日の定例会見で「子会社11社の株主総会がすべて終了し配当が確定した。去年配当に関する考え方を見直し、前年度に続き大型の配当を実施した。その結果84億1千万円で、このうちNHKが受け取る総額は56億3000万円といずれも過去最高となった。関連会社の放送衛星システムの配当金を含めると、配当総額は88億6000万円で、NHKの受取額は56億5000万円」と胸を張った。

 2016年度の事業収支差金280億円のうち、80億円を新放送センターの建設積立資金に回し、これで積立残高は1707億円になった。繰越金残高は957億円に達している。子会社の内部留保も948億円あり、NHK本体にとっては「もう一つの貯金箱」になっている。