小学4年生が開設したとして話題を呼んだ、安倍晋三首相の衆院解散を疑問視するウェブサイトが、実は民主党と交流が深いNPO法人代表理事(既に辞任)の大学2年生が小4になりすまし、書き込みを行っていたことが判明した。安倍首相は「最も卑劣な行為」と激怒し、猛烈に批判したが、インターネットでは擁護論も登場し、炎上状態が続いている。

 問題となったのは、20日夜に開設された「どうして解散するんですか?」という名のサイト。「小学4年生の中村」を名乗る人物が「しつもんです。ぼくにはさっぱり分かりません。あべそーりは『みんなに問い直すための解散だ』って言っていたけど、もんだいは一体なに?」などと、安倍政権批判を展開した。

 民主党のマスコットキャラクター「民主くん」がツイッターで、「天才少年現る!」と紹介したことで、注目が一気に高まった。

サイトの登録情報から露呈


 ところが、書き込みの文章に4年生では習っていない漢字が多用されたり、サイト制作に高度な専門技術が駆使されていたりしたことから、「明らかに大人だろ」「サイト制作のプロの犯行だな」と、疑問の声が噴出。「中村君」は当初、「ぜんぶ小学校の友達でやりました」と強気の姿勢だったが、ネット民の一人がサイトの登録情報から推理の末、NPO法人「僕らの一歩が日本を変える。」が関係しているのではないかと指摘。“祭り状態”に突入した。

 結局、22日になってNPO法人の代表理事を務めていた大学2年生、青木大和氏が「私が(個人的に)リプライ、コメントをしていました。皆さんに嘘をつく形となり、本当に申し訳ありませんでした」などと謝罪。サイト制作は、プログラマー経験がある友人のクリエイター、Tehu氏が行ったことも明らかにした。

 小学生になりすましたことについては、「『面白い』と皆さんに受け止められ、より多くの方を巻き込んだ形で、今回の選挙の意義を語り合うことができるのではないかと思った」と説明した。

 これを受けて、「民主くん」は24日、サイトの紹介ツイートを削除したうえで、紹介したことについて「ご迷惑をおかけしました」と謝罪。一方、安倍首相は25日、フェイスブックで「選挙目当ての組織的な印象操作ではないでしょうが」としながら、「批判されにくい子供になりすます最も卑劣な行為だ」と憤った。

安倍首相も怒り心頭


 だが、事態は収束しなかった。脳科学者の茂木健一郎氏はツイッターで、「反省、謝罪して、前に行ってほしい。日本にはこのような若者が必要」と擁護。米アップルの共同設立者の一人、スティーブ・ジョブズ氏も若い頃はいろいろやらかしたとして、「『やらかす』性行と、イノベーションを起こす能力には正の相関がある」と持ち上げた。

 これに対し、「確かに、行動力は認めるよ」と賛同の声もあったが、「意図的に小学生のフリをしたのが悪質」「日本をこれから背負う20代の意見として発表すればよかった」などと批判の声が一層強まった。

 また、青木氏が受験生の個性を重視して選考するAO入試で大学に合格していたことから、AO入試への批判にも発展。さらに、青木氏を指導したAO推薦入試専門塾の代表が突然、謝罪文を発表して「青木氏を利用した売名行為だ」と攻撃されるなど、混迷は続いている。