また、問題とされた女性閣僚としては稲田の他には代表するところ、総務大臣の高市早苗である。高市は、2016年2月、放送局が政治的公正さを欠く報道をした場合の、電波停止の可能性に言及。既存マスメディアから一斉に「報道の自由への侵害ではないか」と反発が起こった。

 高市の発言は放送法第四条などを根拠としたものであったが、元来放送法の立法趣旨は戦時体制下において、本来権力者の批判・監視を行うべきメディアが大本営発表をそのまま垂れ流して戦時宣伝に加担した反省の意味から、メディアを政治権力から遠ざけ、政治的中立性・公平性を目指したものである。

 高市の発言は、「政府(自民党)を批判するメディアは懲罰する」と解釈しかねないニュアンスを含んでおり、結果としてこの高市発言は米国務省の人権報告書により「報道の自由を侵害する恐れ」の一端として指摘されるまでにいたった。むろん、アメリカ国務省に言われたからどうだという訳ではないが、国際的にみて高市発言は日本における「報道の自由」に対するイメージを毀損しかねない発言であったとみるべきであろう。稲田ほどではないにせよ、高市も安倍内閣の鬼門の一つである。

 さらに最大の鬼門は、公人ではない(ということになっている)、安倍総理大臣夫人、安倍昭恵その人である。昭恵夫人は自民党の政策と悉く反対の立場の民間活動を推進。脱原発運動家でミュージシャンの三宅洋平とも対等に交友するその姿は、良い意味でも悪い意味でも世間を騒がせた。
首相公邸の中庭に設置したミツバチの巣箱から蜂蜜を初収穫した昭恵夫人=
2015年9月(酒巻俊介撮影)
首相公邸の中庭に設置したミツバチの巣箱から蜂蜜を初収穫した昭恵夫人= 2015年9月(酒巻俊介撮影)
 もっとも驚愕(きょうがく)だったのが、安倍昭恵夫人による「大麻解禁論」である。大麻特区として指定された鳥取県の某町の許可大麻畑にて、笑顔で「大麻解禁」を訴える昭恵夫人のスマイルは、微笑みを通り越して多くの有権者にとって異様なものに映った。

 事実、同県の大麻特区で「大麻で町おこし」を掲げていた会社社長が逮捕されたことをきっかけに、大麻特区なるもの自体の期待論も急速にしぼんだ。にもかかわらず昭恵夫人は、「日本古来の精神性は大麻と結びついている」などとトンデモ・オカルト的大麻容認論、解禁論を繰り返すばかり。某女性週刊誌によると、安倍首相の親族から「これ以上大麻解禁を繰り返すのなら最悪、(安倍首相との)離婚もありうる」と忠言されたというが、彼女は聞く耳を持たなかったともいう。