第一安倍内閣が倒れて以降、急速に「自分探し」に躍起となり大学院にまで通った昭恵夫人。それでも飽き足らず、山口県の有機野菜を使った自身経営の小料理屋を開店するなど、およそ良く言えば自由奔放・豪放磊落(ごうほうらいらく)、悪く言えば「意識高い系的奇行」を繰り返す昭恵夫人の墓穴の集大成が、安直に森友学園が設置予定であった大阪府の私立小学校の名誉校長の職を引き受けたことである。

 世間を騒がせた森友学園疑惑は、いち大阪のネット右翼的傾向を色濃く持つ小ブルジョワ・籠池某による大阪ローカルの問題でしかなかった。が、それが一直線に安倍首相にまでその疑惑の矛先が向けられたのは、ほぼすべて昭恵夫人による名誉校長就任に端を発する。

 もし、昭恵夫人が森友学園の森友校長を引き受けなかったら、かの疑惑はとっくに大阪ローカルの話題として消費され、終わっていた。すべての因は昭恵夫人の軽佻浮薄(けいちょうふはく)な自己顕示欲、承認欲求が根本にあると断罪してよい。

 森友問題の後、つづけて沸騰した加計学園の疑惑についても、昭恵夫人の関与は欠かせない。2015年末、加計学園の加計孝太郎氏と安倍首相らによる飲み会の様子を「クリスマスイブ 男たちの悪巧み(?)」と称して喜々としてフェイスブックに投稿していたのである。
安倍昭恵夫人
安倍昭恵夫人
 当然、この投稿には悪意など無いのであろう。単に夫の交友関係を広く衆目に知らしめたかったのであろう。しかし、その根底は、フェイスブックという承認多寡の世界で、どこの誰とも知れぬ人間から無数の「いいね」が押されることを期待しての行為である。

 昭恵夫人の自著などを読むに、彼女は自身へのネット上の反応を常にエゴサーチして毎日のように一喜一憂していたという。端的に言えば自己顕示と承認欲求に飢えた「意識高い系」の一人なのだが、昭恵夫人の度重なるこのような軽佻浮薄の行為が、「安倍内閣の女性閣僚やその周辺の女性」の軽薄さ・素人加減を際立たせるのに一役も二役も買っている。これで、女性からの支持を得ようということなど、土台不可能であろう。

 また、大臣ではないが頓狂(とんきょう)な女性議員の存在も耳目を集めることになった。埼玉選挙区から当選した自民党の豊田真由子議員である。自身の秘書に暴行、暴言を吐いた録音が公開され、一挙に悪い意味で「全国区」の代議士となった。すでに自民党に離党届が出されているが、経歴だけをみればエリート女性代議士の、議員はもとより、人としての人格を疑うような暴言の数々は、確実に自民党支持と女性離れを加速させた。いや、この問題に限っては相当の男性有権者もあらゆる意味で「恐怖」を感じたに違いないのである。