加えての痛打は、「安倍総理に最も近い」として連日メディアに引っ張りだこであったジャーナリスト・山口敬之氏の婦女準強姦疑惑(不起訴)が週刊誌で一斉に報じられ、被害者とされる女性が顔出しでその不起訴の不可解さを訴え、事の顛末が検察審査会で審議されるようになった一連の事象である。
元TBS記者でジャーナリストの山口敬之氏に酒を飲まされ乱暴されたとして、会見する詩織さん(中央)=2017年5月
元TBS記者でジャーナリストの山口敬之氏に酒を飲まされ乱暴されたとして、会見する詩織さん(中央)=2017年5月
 私個人的には、山口氏のくだんの疑惑についての白黒の判断はでき兼ねるし、それは最終的に司法の領分なのでコメントできないが、くだんの疑惑が週刊誌で報道されるや、一切メディアに登場しなくなった山口氏が強烈な安倍擁護の論客であったことは間違いのない事実であり、安倍首相との関係があるやなしやに関わらず、婦女準強姦疑惑が少なくとも安倍首相の強力な擁護者のひとりから発生するということ自体、ますます女性支持者からの支持獲得は難しくなったであろう。

 この件がシロと断定されても、いったん持ち上がった性犯罪への嫌疑は、法がシロとしても心情がシロにしない。この点は安倍首相や山口氏に対してややアンフェアーな気がするが、ともあれ各種事情を総覧しても、安倍内閣の「女性離れ」には、こうして積み重なってきた「内閣の内外」での女性に関する問題が積み重なった結果であろう。

 聡明で優秀な女性は、世の中に幾らでもいる。また、と同時に聡明で優秀なファーストレディーや議員も、世の中にいくらでもいる。女性関係に潔癖なジャーナリストもまた然りである。しかし、安倍内閣はまるで「わざと」「あえて」そうしているかのように、明らかに政治家としての基礎的素養や素養のない人物を抜擢し続け、そして明らかにファーストレディーとしてふさわしくない女性を野放図にコントロールできないでいる。

 「女性が輝く」と謳(うた)っておきながら、「輝くに値しない」女性が下駄を履かされて偽りの光をはなっている状況に、世の才女たちはだんだんとこの政権から距離を取り始めているのではないか。そんな気がしてならない。

 内閣改造での人事刷新や「不良女性代議士」の次期選挙での公認取り消し、「閣外」での女性問題の清算など、スローガンに反して次々と女性に関連した醜聞に彩られる安倍内閣の解決すべき課題はあまりにも多い。