谷本真由美(コンサルタント兼著述家) 


 安倍晋三首相の支持率が急落しております。テレビ朝日系のANNが7月15日、16日に行った世論調査では、内閣支持率は29.2%で、先月の前回調査から8.7ポイント下落で、不支持はなんと54.5%であります。

 読売新聞の7月の世論調査では、特に女性からの支持率の低下が明らかになっています。女性の内閣支持率が前回(6月調査)から18ポイントも急落して28%になってしまいました。毎日新聞の7月17日、18日の調査では男性の不支持が49%なのに対して、女性は52%という惨憺(さんたん)たる結果でありました。

 内閣支持率が20%前後を割ると「危険水域」とよばれ、退陣するケースが少なくないわけですが、安倍首相のこのところの急な不人気、特に女性による不支持はなぜなのでしょうか。

 一番の理由は、この所大騒ぎになっている加計学園問題でありましょう。先述のANNが7月15日、16日に行った世論調査では、加計学園を巡る問題について「行政がゆがめられた疑いは解消されたと思わない」という人が74%に上り、76%の人が安倍首相が説明する必要があると答えています。共同通信が同じ日に行った世論調査では、政権を支持しない理由としては、「首相が信頼できない」が51.6%と最多になっています。

 加計学園獣医学部の認可にあたって、文部省はダメだといっているのに、官邸側は「やれやれ」と圧力をかけて、そのあらましが文書で残っている、残っていない、とグダグダしています。安倍さんは「圧力なんかない」と言い張っていますが、ちゃんと説明をしていません。

 政治家だったら「口利き」やってんだろというのが世間の認識ですが、それが度を越してしまい、大金が動くとなると、多少はお目こぼしをしていた庶民も激怒するというものです。

 なんとなく誠実そうな男に見えた安倍さんも、やっぱりその辺の脂ぎった悪徳政治家と同じじゃないの、ちょっと駅までの土地を安くゲットしたって噂のPTA会長と変わんないじゃん、と女は激怒しているのです。
民進党の辻元清美氏の質問に対し、稲田朋美防衛相(奥)に代わって答弁する安倍晋三首相=2017年2月14日(斎藤良雄撮影)
民進党の辻元清美氏の質問に対し、稲田朋美防衛相(奥)に代わって答弁する安倍晋三首相=2017年2月14日(斎藤良雄撮影)
 女は嘘をつく人間が嫌いです。背広のポケットにクラブのママの名刺が入っていたのに、行ってないと言い張る夫の不誠実さを思いだして、怒りが爆発です。安倍さんは夫ではありませんが、自分と子供が住む土地の運命を握っているわけですから、ウソつき夫のように感じて怒りがマックスです。

 安倍政権は女性活躍政策を打ち出してきましたが、大風呂敷を広げるものの、具体的な施策が実行されるわけでも予算がつくわけでもなく、当事者の女性の生活は楽になるどころか苦しくなる一方です。

 介護保険は要支援1、2の高齢者には適用されなくなり、介護の負担は女性に回ります。要介護の人の自己負担率も上昇。わが家も老親が要介護ですから、この削減はかなり痛いです。

 年金も徐々に減っています。もともと年金が少ない人が多い女性には数千円の削減でも大打撃であります。私の老親およびその周辺でも怒りの声が挙がっています。