2017年07月25日 19:03 公開

日本の安倍晋三首相は、支持率が急落し指導力への信頼が揺らぐなか、困難な状況に直面している。

複数の最新の世論調査では、支持率は30%以下に低下している。

安倍首相は今週、長年の友人に手を貸すために政治権力を利用したのではないかとの疑惑をめぐり、衆参両院で厳しく質問されている。

安倍氏は潔白だと主張しているものの、根強い疑惑は同氏の政治生命を脅かしかねない。

安倍首相はこれまでも、幾度となく危機を乗り越えてきた。

短期間で終わった1度目の首相就任を経て、安倍首相は2012年、長年続いた経済の停滞を脱するとの大々的な公約をもって権力の座に就いた。

安倍氏はつい最近まで、2018年に3期目となる自民党総裁選に立候補し勝利すると広くみられていた。3期目には首相在任期間が戦後で最長となる。

何がきっかけだったのか

支持率の急落は、最近の一連のスキャンダルと、安倍氏がそれをどう対処したかに起因している。

国会で厳しく問いただされたこの疑惑は、個人的な交友関係にある人物に便宜を図ったとのではという疑いが中心になっている。

安倍氏を批判する人たちによると、同氏は権力の座にいることを利用して、友人の私立学校獣医学部が承認されるよう手を貸したという。

この疑惑は主に、認可は安倍首相の側近からの圧力による影響があったという文部科学省の元官僚の主張に基づいている。

認可は、新たな獣医学部は不要だという一般的な見方に反するようにみえる。過去50年以上の間、認可された獣医学部は一つもない。

再び切り抜ける?

安倍首相が今回のような疑惑に直面するのは今回が初めてではない。

3月には、私立の小学校が国有地を疑わしいほど安価で購入したことが明らかになった。

同校はまた、日本が戦後、愛国主義から意図的に距離を置いてきた流れに逆行する愛国的な教育方針についても非難を浴びた。

安倍氏と同校との関係は、昭恵夫人が同校の「名誉校長」となっていたことで明らかになった。その後、同校の理事長(当時)は、昭恵夫人が夫の名で多額の寄付をしたと証言した。

このスキャンダルは国中で話題となり、安倍首相は不正行為を否定しているものの、同氏の支持率が下降するに至った。

積み重なって

首相の一部の政策にも国民はいら立ちを感じている。

政府が2015年、安全保障政策を転換する安全保障関連法案を通過させると、安倍氏の支持率は打撃を受け、37%にまで下がった。

この法案により、自衛隊が戦後初めて海外で戦闘に参加できるようになり、多くの日本人にとって、憲法の戦争放棄を定めた条項の違反を意味した。

2020年までに憲法を改正し、自衛隊を明文化する文言を加えるという安倍氏が公言している目標も大きな物議を醸している。

さらに今年6月には、政界や世論から市民の自由を害するとの懸念があり、強い反対があったにもかかわらず、対テロ法案が可決された。

安倍氏に対するこのような怒りが今、稲田朋美防衛相をめぐるスキャンダルで再度、噴出している。

安倍氏の庇護を受けているとされる稲田氏は、南スーダン国連平和維持活動(PKO)に派遣された陸上自衛隊部隊の日報の隠蔽(いんぺい)への関与が疑われている。

稲田氏も政府も、治安状況の悪化を示す記録が隠されたとの主張を否定。だが、稲田氏や政府を批判する人にとっては、今回の騒動は、国民に対する政府の説明責任の不足を再度示している。

予期せぬ状況

広く予想されていた通り、安倍氏は24日の衆議院での閉会中審査で、優遇措置をめぐる全ての疑惑を否定した。

安倍氏は、友人を優遇するよう政府職員に指示したことは一度もなく、友人もそのような便宜を求めたことは一度もないと主張した。

安倍氏は25日に参議院の閉会中審査に出席し、同様に答弁するとみられる。

しかし、首相自身の支持率が低下するなか、最近東京と仙台で行われた地方選挙の自民党敗北における首相の責任が問われている。

今月、保守派の有力紙の読売新聞は、「一から出直す覚悟を持ち、謙虚な政権運営」をしなければ、国民の信頼を取り戻すことができないだろうと指摘した。

日本のメディアでは、この予期せぬ状況が安倍氏の3期目続投の可能性に影響を与えるかどうかについての憶測が飛び交っている。

多くの問題を抱える首相への圧力は非常に大きく、首相は今夏に大規模な内閣改造を行うことを表明した。首相が行う変更は厳しく精査されることになる。

(英語記事 Why is Japanese Prime Minister Shinzo Abe so unpopular?