木村真(豊中市議会議員)

 「しかるべき人物に、しかるべき形で責任を取らせる」。加計学園問題の陰にすっかり隠れてしまったように見える森友学園事件は、この最も重要な課題が残されたままだ。ゆえに大阪地検による籠池泰典前理事長らの聴取はその始まりに過ぎず、言うまでもなく、私が目指すのは嘘をついて責任を逃れようとしている安倍政権を打倒することだ。

 事件発覚の端緒は今年2月8日にさかのぼる。大阪府豊中市野田町にある国有地を森友学園に売却した契約書の金額などが黒塗りされていたため、私は非開示決定の取り消しを求める訴訟を大阪地裁に起こした。

 これが新聞、テレビといったマスコミで大きく報じられ、その報道を見た国会議員が財務省などからヒアリングを開始。提訴翌々日の10日には、黒塗りなしの契約書が財務省から国会議員に提供され、あの信じられないような売却金額「1億3400万円」であることが明らかになったのだ。

 これを受けて早速、翌週から国会での追及が始まった。17日には安倍首相が衆院予算委で「私や妻が関与していたなら、総理も国会議員も辞める」と答弁し、これで一気に政局化した。さらに問題となったのは、森友学園が運営する塚本幼稚園の教育内容だった。
森友学園が運営する塚本幼稚園の調査に入る大阪府の職員ら=2017年3月、大阪市淀川区(前川純一郎撮影)
森友学園が運営する塚本幼稚園の調査に入る大阪府の職員ら=2017年3月、大阪市淀川区(前川純一郎撮影)
 教育勅語を暗唱させ軍歌を歌わせるといった、いびつな愛国主義教育や児童虐待とも思えるような園児への対応、園長と副園長らによる中国、韓国へのヘイト発言など、異様な実態が次々と暴露された。極めつけが、幼稚園の運動会での「安倍首相がんばれ」という選手宣誓だろう。ワイドショーでも連日大きく取り上げられる大問題へと発展していった。

 そして問題発覚からおよそ半年が経過した。冒頭で記した通り、今では報道されることもめっきり少なくなり、すっかり「過ぎた話」の感もある。だが、実のところ何も終わっていないのだ。この問題の疑惑の中心は、国有地のタダ同然の叩き売りと、不可解な学校設立認可の2点だが、どちらも「疑惑」=グレーというレベルを超え、もはや完全に「クロ」である。

 理由は明白だ。4~5月、籠池氏サイドから、新たな資料が次々と公開されたが、①国有地値引きの根拠とされた「8・2億円のゴミ」などがなかったこと②極端な安値での売却へのレールを敷いたのは財務省側であること③籠池氏らは昭恵氏と頻繁に連絡を取り合い、昭恵氏側も首相夫人付秘書らが財務省などにはたらきかけ、結果的に籠池氏の望み以上の破格の条件となったこと、これら3点が事実をもってほぼ立証されている。