潮匡人(評論家)

 7月28日午前、防衛省が「特別防衛監察の結果について」を公表した(以下「監察結果」)。今回の特別防衛観察は「南スーダン派遣施設隊日々報告」(以下「日報」)の管理状況に関し、「防衛大臣の命を受け、平成29年3月17日から実施している特別防衛監察について、これまで明らかになった事項等を取りまとめたものである」(監察結果)。
特別防衛監察の結果を公表し、辞任を表明する稲田防衛相=7月28日、防衛省
特別防衛監察の結果を公表し、辞任を表明する稲田防衛相=7月28日、防衛省
 つまり、稲田朋美「防衛大臣の命を受け」実施された監察であり、防衛省の防衛監察本部が実施した監察結果に過ぎない。一定の独立性があるとはいえ、公正中立な第三者によるチェック機能は働いていない。元検事長らが監察した結果とはいえ、裁判所の確定判決とは似て非なる性質である。

 広く知られたとおり、稲田大臣が「隠蔽(いんぺい)を了承していた」と報じられてきた。加えて、日報データの存在を複数回にわたり報告されていたと報じられた。その際の場面を克明に記録したメモの存在も明かされた。そうした経緯を受けた監察結果である。当然ながら関心はその一点に集中した。

 監察結果で、以上はどう結論づけられたのか。該当個所の本文を引こう。

 平成29年2月16日、事務次官は、陸幕長等に対し、陸自に存在する本件日報は個人データであるとの認識により、当該日報の取扱いについて、防衛省として本件日報を公表していることから、情報公開法上は問題ないとし、対外説明する必要はないとする旨の対外説明方針を示した。

 この「情報公開法上は問題ない」との判断が批判されたが、当を得ない。なぜなら、なかで「戦闘」と明記され、問題視された当該「日報」は、一部が黒塗りになっていたとはいえ、すでに(2月6日)公開されていたからである。

 河野太郎衆院議員のブログを借りよう。

防衛省は、見つかった日報が個人の文書だと考え、特に発表の必要がないと考えた。

しかし、日報に関してはそれまでいろいろとあったわけだから、自分たちで判断するだけではなく、内閣府の公文書課や国立公文書館に、きちんとした判断を仰ぐべきだった。それがこの騒動の本質ではないか。

こうした説明もなく、あたかも日報を隠蔽する決定が行われたかのような報道は、間違っていないか。

 その通り。公開済「日報」の電子データが見つかった、というだけ。すでに「公開」したものを「隠蔽」するなど、技術的にも不可能である。