2017年08月04日 11:34 公開

昨年の米大統領選へのロシアによる介入疑惑を捜査するロバート・ムラ―特別検察官は3日、疑惑について起訴するかどうかを決める大陪審を選出した。メディア各社が報じた。

ロイター通信によると、大陪審は2016年6月にドナルド・トランプ大統領の長男、ドナルド・トランプ・ジュニア氏(39)とロシア人弁護士との間の面会について召喚状を出した。

トランプ大統領は、ライバル候補だったヒラリー・クリントン元国務長官に勝つため自らの陣営の関係者がロシア政府と結託したとの疑惑を強く否定している。

米国では、大陪審は証拠を検討した上で刑事訴訟での起訴が適当か判断するが、有罪か無罪かの判断はしない。

一般の市民から選ばれる大陪審は、文書の提出や宣誓下での証言が要求できる召喚状を検察が出すのを許可できる。

トランプ大統領は3日夜にウェストバージニア州ハンティングトンで開かれた集会で演説し、疑惑は「でっち上げ」で「我々の国を貶めるものだ」と語った。

「ロシアの話は完全に作り話。(大統領選での)米国政治の歴史上最もひどい敗北の言い訳に過ぎない。それだけだ」

聴衆が大歓声を上げるなかトランプ大統領はさらに、「検察が調べるべきなのは、削除された3万3000通のヒラリー・クリントンの電子メール」だと述べた。「選挙運動で僕たちの陣営にロシアが関わっていなかったのはほぼみんなが知っている。一度もない。あなたたちのおかげで僕たちは勝ったんです。それは確かだ」

有力な弁護士たちが集まったトランプ氏の法律チームは、ロシア疑惑捜査をめぐる記者らの質問に対応し、トランプ大統領自身が捜査対象だと考える理由はないと述べた。

ホワイトハウス特別顧問に先月任命されたタイ・コブ弁護士は文書で、「彼(ムラ―氏)の仕事の完了を早めることであればなんでもホワイトハウスは歓迎する。ホワイトハウスは、ムラ―氏と完全に協力すると強く決意している」と述べた。

米上院は3日、トランプ政権がムラ―氏を解任しにくくする2法案を超党派で提出した。トランプ大統領は今年5月に、ロシア疑惑をめぐる捜査を理由に挙げて、連邦捜査局(FBI)の長官だったジェイムズ・コーミー氏を解任しており、トランプ氏が同様にムラ―氏を解任するのではないかとの懸念が出ている。

3日のメディア報道によると、元FBI長官のムラ―氏が進める捜査が、昨年6月のトランプ・ジュニア氏とロシア人弁護士ナタリア・ベセルニツカヤ氏との面会に焦点を当てているもよう。

ロイター通信によるとムラ―氏は、トランプ陣営の関係者がロシアに対して、クリントン陣営に関する資料を外部に漏らすよう促したかどうかを調べている。

ロイター通信は関係筋の話として、トランプ大統領自身は捜査対象にはなっていないと伝えた。しかし、トランプ・ジュニア氏とロシア人弁護士の面会を事前に知っていたのか、また事後に説明を受けたのかについて、ムラ―氏は知ろうとしているという。

トランプ・ジュニア氏が送った電子メールからは、ロシア政府がクリントン氏に不利な情報が会合で提供されるとトランプ・ジュニア氏が考えていたことが示されている。

トランプ大統領と政権の高官たちは、面会は通常の選挙運動でもよくある「対立候補についての調査」だったとしている。

トランプ・ジュニア氏が当初、面会はロシア人の子供の養子縁組政策についてだったと説明していたのは、トランプ大統領の助言に基づくものだったことが判明している。

中央情報局(CIA)や国家安全保障局(NSA)を含む米国の情報機関は、ロシアが大統領選でトランプ氏を勝たせようと介入したと結論付けている。ロシアは介入を否定している。

トランプ氏は度々、情報機関の結論への疑念を述べている。

ムラ―氏は今年5月にロッド・ローゼンスタイン司法副長官によって特別検察官に任命された。

ロシア疑惑をめぐっては、議会も複数の委員会が調査を進めている。

(英語記事 Grand jury assembled in Trump-Russia investigation