獣医学部の新設で安倍晋三首相の意向が働いたのではないかという“加計学園疑惑”。そのキーマンである前川喜平・前文部科学事務次官について、読売新聞は5月22日、「前川前次官 出会い系バー通い」と報じた。

 前川氏は読売報道から3日後となる25日付の朝日新聞朝刊と同日発売の『週刊文春』でインタビューに応じ、〈総理のご意向〉文書が実際に文科省内でやり取りされたものであることを認め、その日のうちに会見も開いた。
5月25日、記者会見を終え、汗をぬぐいながら席を立つ前川喜平前文科事務次官(右)(福島範和撮影)
5月25日、記者会見を終え、汗をぬぐいながら席を立つ前川喜平前文科事務次官(右)(福島範和撮影)
 一方、同日午前の官房長官会見で菅義偉氏は、前川インタビューの内容を受けた上で、文書について「文科省が行なった調査で存在は確認できなかった」と従来の見解を繰り返した。さらに前川氏の辞任経緯について、「当初は責任者として辞意も示さず地位に恋々としがみついていたが、世論の批判に晒され、最終的に辞任された」と厳しく非難し、その言葉を各紙が報じた。

“絶妙なタイミング”でのネガティブ報道や官房長官の非難を受けてなお、実名証言に踏み切った心中を前川氏はこう語った。

「私はもう誰にも監督されていないし、天下りもしていない。生まれて初めて自由になった気持ちで振り返ったとき、現職中にかかわった仕事で、『これはおかしい』と思いながら行政がねじ曲げられるのを黙認してしまった反省がある。それを国民は知る権利があると考えた。処分された逆恨み? 天下り問題はひとえに文科省が悪かった。私が責任を取って辞めるのは当然、恨んでなどいるはずがありません」

 前川氏は自らに対するネガティブ報道がこの時期に相次いだことをどう受け止めたのか。本誌のインタビューはその点に踏み込んだ。

──出会い系バーに通ったという報道は事実か。

「行ったのは事実です。だけど買春も、ましてや未成年との淫行もしていない。彼女たちに食事をおごって身の上を聞いた。家庭内の虐待で中学生の頃に家出し、友人と住所不定の生活をしている子がいました。そのバーで男を捕まえたら一晩過ごし、お金ができればネットカフェに泊まる。ああいうところに流れ着く子を見て、学び直しを経済的にサポートする仕組みが必要だと思い知りました。別の女性の話からは通信制高校の実態も知ることができた」