2017年08月07日 16:35 公開

韓国と北朝鮮の両外相が6日、フィリピン・マニラで短時間ながら異例の接触をしていたことが明らかになった。韓国外務省関係者がBBCに認めた。しかし、南北対話の再開を呼びかけた韓国の提案を、北朝鮮側は「不誠実」だと批判したという。

韓国・聯合通信によると、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)閣僚会議のためフィリピン・マニラを訪れている韓国の康京和外相と北朝鮮の李容浩外相は、ASEAN夕食会の場で握手し、短く会話を交わした。予定された接触ではなかったという。

北朝鮮の李外相が対話の提案を「不誠実だ」と呼んだ背景には、北朝鮮の制裁強化があるようだと、康外相は話したという。

「(対話の提案は)喫緊の課題なので、政治的配慮はいっさい度外視した上で、前向きに取り組んでもらいたいと(李外相に)話した」と康外相は述べたと言う。

北朝鮮がミサイル実験を繰り返すなか、韓国は7月、北朝鮮に異例の軍当局者会談を呼びかけている。さらに韓国政府と赤十字はこれとは別に、南北離散家族再会のため、南北赤十字の実務者会談を提案している。しかし北朝鮮はこれまでのところ、正式に返答していない。

北朝鮮については国連安全保障理事会が5日、新たな制裁決議案を可決。核・ミサイルの開発資金を絶つため、北朝鮮の主な収入源になっている石炭、鉄、鉄鉱石、海産物の輸出を全面禁止した。

北朝鮮の国営・朝鮮中央通信(KCNA)は7日、安保理制裁は自分たちの「主権を激しく侵害」するものだと非難し、報復を約束。さらに、米国の脅威に直面する限りは核兵器開発を続け、「自分たちの自衛的核抑止力を交渉の対象にすることはしない」と表明した。

これに先立ち北朝鮮の政府高官は聯合通信に対して、「事態が決まったら立場を明らかにする」と述べていた。一方で、朝鮮労働党中央委員会の機関紙「労働新聞」は、米政府による制裁実施や核攻撃は、米国全土を飲み込む「想像を絶する炎の海」につながると警告していた。

ASEAN外相会合に同様に訪れている中国の王毅外相は7日、報道陣に対して、「南側の前向きな提案を北側が全面的に拒絶したわけではないと、私は感じている」と述べた。王外相はさらに、中国としても韓国の対話提案を支持すると付け加えた。

外相会談に出席しているレックス・ティラーソン米国務長官は、中露を含めた国連安保理が全会一致で制裁強化に合意したことは、国際社会が北朝鮮のミサイル・核実験停止を強く望んでいると「明確に示した」と記者団に述べた。

中国とロシアは従来、北朝鮮への強硬姿勢に反対してきた。しかしここ数カ月は、米韓に軍事演習中止を要求しつつ、北朝鮮にもミサイル発射実験をやめるよう、諸外国と共に呼びかけるようになっている。

7日にはドナルド・トランプ米大統領と韓国の文在寅大統領が電話で会談し、北朝鮮が「深刻かつ増大を続ける直接的な脅威」だと合意。ホワイトハウスによると、両大統領は最新の国連制裁を全面的に実施する方針を確認し合ったという。


国連の新制裁は

  • 北朝鮮からの石炭、海産物、鉄、鉄鉱石、鉛、鉛鉱石の輸入禁止
  • 北朝鮮労働者の新規受け入れ禁止
  • 北朝鮮の組織や個人との新規共同事業禁止
  • 既存の共同事業で新規投資禁止
  • 個人の渡航禁止や資産凍結を追加
  • 国連加盟国は90日以内に制裁の履行状況を安保理に報告

(英語記事 North Korea calls offer of talks from the South 'insincere'