2017年08月08日 14:13 公開

男女は生まれつき能力が違うのだから、IT技術者や管理職に女性が少ないのは差別ではないと社内文書で書いた米グーグルの従業員が、解雇されたことが分かった。スンダル・ピチャイ最高経営責任者(CEO)が7日午後、従業員向けのメールで、問題の文書はグーグルの行動規範に抵触すると説明した。

問題となった社内文書は男性ソフトウェアエンジニアによるもので、男女は生まれつき能力が違うのだから、社内のIT技術者や管理職に女性が少ないのは差別ではないと主張。「性別による違いを性差別だと決めつけるのを、やめなくてはならない」という内容は、大いに批判された。

グーグルの社内掲示板で共有されたこの男性の文書は、「グーグルのイデオロギー・エコーチェンバーの中で」と題されていた(「エコーチェンバー」とは同じ主義主張の者同士が似た意見を言い合い、異論が聞こえなくなる状況のこと)。IT系ウェブサイト「ギズモード」に全文掲載された。

ピチャイCEOは、「この会社の職場で、危険な性別のステレオタイプを推進しようとした」この文書は、一線を越えてしまったと指摘した。

ピチャイ氏は、グーグル社内で表現の自由を守る重要性について行数を割き、「文書に書かれた内容の多くは、議論に値するものだった。グーグル人の大半が賛成するかしないかは関係ない」と強調した。

しかしその上でピチャイ氏は、「とはいえ、同僚の一部が、生まれつき仕事に向いていないなどと示唆するのは、不愉快で不適切だ」と批判した。「我々の基本的な価値観や行動規範にもとるものだ。この会社の行動規範は、『すべてのグーグル人が最善を尽くして、いじめや威圧や偏見や違法な差別のない職場文化を作る』よう求めている」。

問題の文書が公表されて間もなく、グーグルの多様性担当副社長、ダニエル・ブラウン氏は文書に反応。文書をめぐる「激しい議論」を受けて、「この考えは私や当社が支持、推進、あるいは奨励するものではありません」、「当社は、多様性と受容性が企業としての成功に不可欠だという考えを明確に持っています」と書いた。

グーグルは文書の筆者の名前を明らかにしていない。男性は、「他のグーグル社員から個人的に、感謝のメッセージをたくさんもらった」と書いていた。

(デイブ・リー北米テクノロジー担当記者)

(英語記事 Google fires diversity memo author