こうした安全対策とあわせて考えなければならい重要な課題として、核のごみ問題があります。昨年4月、毎日新聞が「玄海町長が核のごみの最終処分場受け入れに前向き」だと報じました。決して前向きと言うことではなくて、ごく普通の話をしたつもりだったんです。核のごみの最終処分地は日本国内に必要であり、自分のところで出したごみを自分の国で処分できないというのは、日本人として恥ずかしいという意味です。日本という国は責任感のある国であることを示さないといけないじゃないですか。そういう思いがありました。

 玄海原発もそうですが、使用済み核燃料がかなりたまってきました。処理の仕方の問題もあります。もんじゅ(高速増殖原型炉)の廃炉も決まり、リサイクルもうまくいっていない。そうなると、最終処分地も、中間貯蔵施設も当然必要だろうなということを申し上げただけなのに、それを毎日新聞が過激に書いただけです。本当は新聞の一面に載るような話ではないんです。

 場所さえ選定されれば、日本は地下掘削の技術は世界でトップクラスですし、大きな問題はないでしょう。ただ、私もフィンランドやスウェーデンの地下処分場を見に行きましたが、日本との地層の違いは感じましたね。日本では掘っていくと水が出るが、スウェーデンは水が出ない。これだったら500メートル掘っても問題ないと思いました。

 また、重要なのは住民感情で、どう理解されるかということだと思います。うちでもそうですが、反対運動をするのは町外の人たち。彼らは大きな声で派手にアピールをしようとする。それをマスコミが過大に評価して伝えてしまう。

 そういった人たちを否定する権利はないけれど、後世のことも考えてどうすればいいのか、最善の策をわれわれは考えていかなければいけない。マスコミはマスコミの責任というものをしっかり考えてほしいという思いがあります。

 もんじゅを廃炉にするのは仕方ないですが、高速増殖炉に関する研究はやめてほしくない。玄海原発はMOX(ウランとプルトニウムの混合酸化物)燃料をとり入れて、4分の1とはいえ発電所で回し、そうすることによって使用済み燃料が少しでも処理されていたわけです。
佐賀県玄海町の九州電力玄海原発3号機(手前)と4号機
佐賀県玄海町の九州電力玄海原発3号機(手前)と4号機
 これを繰り返すことで核のごみが少なくなるという過程がきちんとできるのであれば、研究を続けてほしいし、高速増殖炉があることによって、エネルギーの配分が安定してくるのではないかなと私は思っています。

 そもそも玄海町は、(プルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料を使う)プルサーマルの同意を全国でいち早くしました。それは、やっぱり高速増速炉の将来の姿が想像できたからです。当然MOX燃料は必要になるなと思いました。プルサーマルを継続していくと電力会社が考えを示したことに関しては、日本人としての気概をみせてくれたかなという気はしています。

 すべては将来の子供たちのためにやるんだと、目標設定をしてしっかりやってほしいなと思います。米国では、原発から出た使用済み核燃料は再処理せず、直接処分している。火をつけて燃やして水をかけたら終わりでいいのか。それは高等な知能のある人間がやることではないしょう。燃やした後、もう一回エネルギーとして使うという、石炭にしても木炭にしてもこれまでそうやってきたじゃないですか。それこそが人間の能力であり、それを放棄するのはやめてほしいですね。(聞き手/iRONNA編集部、川畑希望)