アメリカの首都ワシントンDCの国立墓地では、アメリカがヒーローになった先の大戦だけではなく、ハリウッドの娯楽映画ですらけちょんけちょんに非難するベトナム戦争の死者もまったく同等に尊敬され、祀られている。

 なぜ日本だけが違うのか。

 それもなぜ、中国や韓国、北朝鮮、あるいはアメリカという外国から論難されねばならないのか。

 これも子供がまともに考えれば不可思議な話であるから、「いや、靖国参拝は駄目だ」とする根拠を補強してある。

 ひとつは「天皇陛下もA級戦犯が合祀されてから参拝をされていないではないか」という声高な主張である。

 この天皇陛下をめぐって、先の通常国会では今上陛下のご譲位を実現する法を成立させるとき、野田佳彦前総理をはじめ野党の要求に自由民主党が間違って膝を屈し、付帯決議の中に「女性宮家の創設」の検討が盛り込まれてしまった。女性がご当主の宮家ができれば、そのご当主が一例では中国人と結婚なさると、場合によっては中国人による新しい王朝が始まることにも扉が開く。

 これに反対するために、わたしは山田宏参議院議員、鬼木誠、長尾敬両衆議院議員らと「勉強会」を連続して開いた。

 その講師に招いた一人が、靖国神社の神官、松本聖吾総務課長である。

 わたしは俗説を駆逐するために、いくつかを確認した。遊就館の展示課長も務めた歴史家でもある松本さんの解説は明快だった。

「陛下が直々に参拝されるのは基本的に多くの戦死者が出たときであり、日本は長期にわたって戦争をしていないから参拝がないのはむしろ当然です。一方で陛下の勅使が、靖国神社の主たるお祭りである春と秋の例大祭に欠かさずお出ましになっているので、陛下と靖国との関わりはまったく変わっていない」

 つまりは、A級戦犯云々(うんぬん)というのは、無知を利用した言いがかりに過ぎない。

 この解説は、安倍総理の参拝をどうするかにも繋がる。
靖国神社の春季例大祭に合わせて安倍首相が奉納した「真榊」=4月21日午後、東京・九段北
靖国神社の春季例大祭に合わせて安倍首相が奉納した「真榊」=4月21日午後、東京・九段北
 8月15日は靖国神社にとって、本当の主たる刻ではない。日本の内閣総理大臣は誰であれ、8月15日の、作られた異常な騒擾にかかわらずに例大祭にこそ淡々と、粛々と参拝し、諸国と同じように、人のため、公のために死した人を国家の永遠の責任として弔い、日本を世界標準、国際法にきちんと沿う国にする大切な一歩とすべきである。