2017年08月16日 11:37 公開

ドナルド・トランプ米大統領は15日、バージニア州シャーロッツビルで12日に極右集団と反対派との衝突で女性が死亡し多数が負傷した事件について、責任は双方にあると述べ、批判を受けた当初の発言に戻る姿勢を示した。

14日にトランプ大統領はホワイトハウスで、衝突事件について白人至上主義者を強く非難する声明を読み上げていたが、地元ニューヨークで行った会見では、極左思想「オルト・レフト」の支持者が極右の「オルト・ライト」支持者に突撃したと語り、反対派にも責任があるとの考えを示した。

トランプ大統領に対しては、白人至上主義者たちを名指しでと批判する声が高まっていた。14日に声明を出すまでに時間がかかり過ぎたとの批判も出ていたが、同大統領は、すべての事実関係を確認したかったからだと釈明した。

12日にシャーロッツビルで開かれた極右集団のデモに抗議していたヘザー・ハイヤーさん(32)は、白人男性が自動車で反対派の集団に突入した際にひかれ死亡した。

トランプ大統領は、自動車を運転していた男について、本人や国の名誉を傷つけたと語った。

ニューヨークの自宅がある「トランプ・タワー」で記者団の質問に答えていたトランプ氏は、右翼集団について「オルト・ライト」という言葉を使い、「じゃあ、オルト・ライトに(中略)突撃していったオルト・レフトはどうなんだ? あいつらに罪悪感のかけらもあるか? 手にこん棒を持って(中略)突撃してきたのはどうなんだ?」と述べた。

シャーロッツビルでは12日に、米南北戦争で奴隷制維持のために戦った南部諸州軍のロバート・E・リー将軍の像の撤去計画に抗議する「右派を団結」集会が開かれ、集会に抗議する人々と衝突が起きた。

トランプ大統領は14日にホワイトハウスで、人種差別団体クー・クラックス・クラン(KKK)やネオナチ、白人至上主義者たちは、米国人が大切にしていることすべてにとって「唾棄すべき」存在だと述べていた。

しかし、険悪な雰囲気に包まれたトランプ・タワーでの記者会見でトランプ大統領は、像の撤去に抗議していた集団には「多くの素晴らしい人々」が含まれていたと語った。

トランプ氏はまた、初代大統領ジョージ・ワシントンや第3代大統領トーマス・ジェファーソンの像も、2人が奴隷を所有していたのを理由に撤去されるべきなのかと述べた。

元KKK指導者のデイビッド・デューク氏は、15日のトランプ氏の発言を歓迎するコメントをツイッターに投稿した。「トランプ大統領ありがとう。シャーロッツビルの真実を語ったあなたの正直と勇気、そしてBLM(黒人人権保護運動)とAntifa(反ファシズム主義をうたう左翼活動)の中にいる左派テロリストを強く非難したことに感謝します」。

しかし、トランプ大統領の発言を激しく非難する声も上がっている。

米労働総同盟産別会議(AFL-CIO)のリチャード・トラムカ会長は、諮問会議「製造業評議会」の委員を辞任し、「偏見と国内テロを容認する大統領」のために働くことはできないと述べた。

野党・民主党の上院トップ、チャック・シューマー院内総務はツイッターで、「偉大かつ良き米国大統領たちは国を分裂させるのではなく団結させようと努力した。ドナルド・トランプの発言は明らかに彼らとは違うことを示している」と述べた。

トランプ大統領は、死亡したハイヤーさんの母親で、トランプ氏に「なぐさめの言葉と、暴力や憎悪をかき立てる人々への非難」への謝意を表したスーザン・ブロさんを称賛した一方、記者会見に集まった記者たちに対しては、「偽ニュース」を伝えていると非難した。

トランプ氏は会見の中で、「多くの記者たちと違って、私は事実を知る必要があった」と発言した。

(英語記事 Both sides to blame in Virginia - Trump