江田憲司(民進党代表代行)

 蓮舫代表が突然、辞意を表明した。その背景には、加計・森友問題や陸上自衛隊の日報隠蔽(いんぺい)疑惑、「お友達閣僚」の失言などによる安倍内閣支持率の急落にもかかわらず、民進党の支持率は上がるどころか下がり、政権交代可能な二大政党の一方の雄を占める、という結党の目標とは程遠い現状があったことは言うまでもありません。
前川きよしげ氏の応援のため来県した江田憲司民進党代表代行=2016年6月15日、奈良市(神田啓晴撮影)
前川きよしげ氏の応援のため来県した江田憲司民進党代表代行=2016年6月15日、奈良市(神田啓晴撮影)
 しかし、それは一人、蓮舫代表だけに責めを帰すべきことではありません。昨年、民進党という新党を結成したにもかかわらず、旧民主党政権の負のイメージから脱却できず、それどころか、国民は「民進党は旧民主党と変わらない」と思っています。民進党が政権与党・自民党に代わる「受け皿」として足り得ていない理由はそこにあります。それほど、あの民主党政権時の体たらくが国民の脳裏に焼き付いているということです。

 ですから、民進党浮上のための処方箋は、まず何よりも旧民主党時代からの「たらい回し人事」を一新し、「民進党は確かに改革政党として生まれ変わった」と国民に振り向いてもらうことから始めなければなりません。

 その意味では、代表選においても、旧民主党時代の「顔」だけでなく、清新な若手や旧民主ではない人間が立候補し、大いに政党の理念や立ち位置、政策の論争をすべきではないでしょうか。それがかなわないのであれば、残念ながらこの党にはまだまだそれだけの危機意識が醸成されていないと言わざるを得ません。

 また、私が地方組織担当の代表代行として全国を回っていると、「民進党が何をやる政党かわからない」「自民党との違いは何なのか」という問いかけをよくされました。そもそも、こうした政党の基本中の基本のことですら、国民にまだ理解されていないことを痛感したのです。

 そこでまず、その政党の基本、すなわち「立ち位置」や「理念」について説明したいと思います。それは、米国に「共和党」と「民主党」、英国に「保守党」と「労働党」があるように、私は日本に自民党と民進党があるのだと考えています。

 自民党は「共和党」「保守党」にあたり、すなわちどちらかと言うと、「業界」や「企業」「経営者」の側(「供給者側=「サプライサイド」)に立つ政党です。これに対し、民進党は「民主党」「労働党」に匹敵する、すなわち「生活者」や「消費者」「働く者」の側(「需要者側=「デマンドサイド」)に立つ政党)なのです。