安倍政権を追及すべき野党第1党で先に内紛が始まるのだから、とことん救いようがない。閉会中審査直後の7月25日に開かれた民進党両院議員懇談会では都議選惨敗の責任を取って、野田佳彦幹事長が辞任を表明。さらには、27日になって蓮舫代表が記者会見で代表辞任を表明。「いったん(身を)退いて、民進党を新たな執行部に率いてもらうことが最大の策だ」と説明した。

 だが、その間の経緯は相変わらず“コップの中の争い”と“保身が第一”という民進党らしさばかりだった。

 蓮舫氏は岡田克也前代表に後任幹事長就任を打診するもアッサリ断わられた。その理由は「岡田氏はここで泥船に乗る必要はないと判断した」(同党関係者)と囁かれるほど団結にはほど遠い。

 蓮舫氏は懇談会終了後のあいさつで「新世代の民進党を目指す」と語ったが、それも「逃げた岡田氏へのあてこすり」(民進党中堅)と見る向きさえあった。さらにその日の午前中の閉会中審査で安倍首相を厳しく追及して名を上げた桜井充・参院議員まで離党を示唆し、挙げ句は蓮舫氏自身が新体制の船出前に辞任である。
記者会見で「台湾籍離脱」の書類を18日に開示する考えを示した民進党の蓮舫代表=7月13日、東京(春名中撮影)
記者会見で「台湾籍離脱」の書類を18日に開示する考えを示した民進党の蓮舫代表=7月13日、東京(春名中撮影)
 次の代表に名前が挙がる前原誠司・元代表は、総会に先立つ7月17日の講演で「民進党という名前はなくてもいい」と発言するなど、政界再編に前のめりな姿勢を隠さない。党内がバラバラになっている背景には、最大の支持基盤である連合の離反がある。

 「連合の次期会長候補である事務局長が安倍首相と官邸で極秘会談し、残業代ゼロ法案(労働基準法改正案)に条件付きで賛成する動きが明るみに出た。結局、連合内で意見がまとまらず法案賛成は見送られたが、民進党という看板のままなら、連合は支持を打ち切る姿勢だ。むしろ、安倍政権の支持率が急落している今だからこそ、早く解党して新たな政治勢力をつくるべき」(民進党右派議員)

 安倍政権を追及するために新代表のもとで解党が必要―何とも奇妙な理屈が成り立つことになる。民主党OBの平野貞夫氏はこういう。

「今の民進党は自民に近い保守的なスタンスの連中と、連合依存の連中が同居したまま。党の政策や理念が曖昧な上に、お互いにすぐに排除の論理を持ち出す。野田氏は辞任に際して、『解党的出直しが必要』といったが、“的”が余計。本当に解党しか選択肢はない」

 確かに民進党の存在が、青息吐息の安倍政権の“延命装置”になっていることは間違いない。