2017年08月22日 11:37 公開

スペイン・バルセロナで17日夕に繁華街の歩行者たちを襲い、110人以上を死傷させたワゴン車を運転していた疑いの男が21日、バルセロナ郊外で発見され、警察に射殺された。

カタルーニャ州警察によると、バルセロナ西約40キロのスビラツ地区でガソリンスタンド従業員が、モロッコ出身のユネス・アブーヤクーブ容疑者に気づき、警察に通報。ブドウ畑に隠れている容疑者を警察が発見し、下水処理場近くで射殺したという。偽の爆弾ベルトを身に着けていた容疑者は、「アッラーフ・アクバル(神は偉大なり)」と叫んだという情報もある。

容疑者が撃たれて倒れた後、爆発物処理班がロボットを使って偽の爆弾ベルトを調べた。このため、確かにアブーヤクーブ容疑者だと正式に発表するまでに時間がかかった。

地元住民たちによると、現場にパトカー約20台が急行し、上空では複数のヘリコプターが旋回していたという。

警察は、アブーヤクーブ容疑者の射殺後も、国際的な捜査は続くと話している。

発見に先立つ記者会見で警察は、バルセロナ・ランブラス通りの事件現場から徒歩で逃走したアブーヤクーブ容疑者は近郊サンフストで自動車をハイジャックし、運転手を刺殺して逃げたと話していた。

殺害された男性は、ビラフランカ在住のパウ・ペレスさん(34)。バルセロナと、その翌日に約120キロ西のカンブリスでも歩行者が襲われた連続襲撃による死者は、これで15人になった。警察は15人全員の身元を確認し、家族に連絡したという。

スペインメディアが伝えた防犯カメラ映像は、卸売市場地区を歩く容疑者の様子をとらえていた。

警察はさらに、アブーヤクーブ容疑者をはじめ複数の若者たちを過激主義に洗脳した疑いのある宗教指導者は、バルセロナから海岸沿いの南西約200キロにあるアルカナルで16日夜に起きた民家爆発で死亡したと確認した。この民家は、グループの爆弾工場として使われていたとみられている。

爆発跡ではもう一人の遺体も発見されており、警察は身元を調べている。

調べによると、連続襲撃を計画したグループは12人かそれ以上からなる。すでに容疑者8人が死亡し、4人が逮捕済みという。

このグループは、自家製爆弾を使い3カ所で同時多発攻撃を計画していたものの、民家爆発によって妨げられたもよう。警察は爆発跡から、120個のガスボンベを発見した。

死亡した容疑者たちの遺族は、バルセロナ北郊リポイに住むイスラム教指導者(イマーム)アブデルバキ・エス・サティ師が、複数の若者を過激化させたと話している。

スペイン報道によると、サティ師はかつて服役中、191人が死亡した2004年のマドリード列車爆破事件に関与した複数の服役囚と接触していたという。

サティ師はさらに昨年、職探しのためベルギーで3カ月ほど過ごした。2014年に20人以上のイスラム聖戦主義者がシリアへと発った人口4万2000人の小さい町、フィルフォールデにも滞在していた。

ベルギーで過激主義対策に取り組む政府関係者はBBCに、サティ師がブリュッセル近くのモスク(イスラム教礼拝所)で働こうとしたものの、長老たちが「過激で分断を煽る」態度を理由に説教することを禁止したという。

モスクは警察にサティ師の身辺調査を依頼したが、警察の調べでは具体的な懸念内容はみつからなかったという。

(英語記事 Barcelona attack: Van driver shot dead by police