2017年08月22日 14:22 公開

ライターのジーナ・マーティンさんは7月、ある音楽フェスティバルで男性にスカート内を盗撮された時、警察に直行した。しかし英国のほとんどの地域では、「スカート内盗撮」を取り締まる特定の法律がないことを知り、マーティンさんは驚いた。そのような法律があるのは、スコットランドだけなのだ。警察がジーナさんの件を解決済みとした時、ジーナさんは再開を求める請願を開始し、現在は法律を変更するよう働きかけている。

マーティンさんの実体験を書いた記事は、多くの読者の琴線に触れた。BBCは読者に対し、スカート内の盗撮被害にあったことがあるか、その犯人は罰せられたかを尋ねた。ここに、読者の体験を紹介する(名前は仮名にしてある)。

「バス停にいた時」 ――デビーさん(21)

4年前、17歳の時だった。暖かい春の日で、私は花柄のワンピースを着ていた。学校に行こうと、交通量の多い幹線道路で朝9時にバスを待っていた。

男がバス停に歩いてきて、私の隣まで来て座り、その後、私に向かって近づいて来た。何かおかしいというのは気づいたが、私が振り返るたびに、男はバスが来る方向に向かって通りを見ているふりをした。

何かを言うほど確信がいつもあるわけではない。なので私は立ち上がり、その場から離れた。しかし男を見ようと振り返った時、男は携帯電話をかざしていた。私の臀部の動画だった。男はさっきまで、私のワンピースの中を動画撮影しようとしていたのだ。男はまるで自慢するかのようにそれを私に見せていたのだが、同時に自分の局部を触っていた。

私の最初の反応は「削除してもらわなきゃ。あの携帯を手に入れなきゃ」だった。腹が立ったのだ。

「こっちによこして。削除しなさい」と言った。男が走って逃げたので追いかけたのだが、男はあまりにも速すぎた。その後、今起こったことーーその深刻さ、そしてパーソナル・スペースが侵害されたことに気付き、非常に動揺した。

ワゴン車で通りかかった男性が車を止め、こちらに来てくれた。車の流れが遅かったので、男が走り去るのをしっかり見ていたと言った。警察が来て調書を取り、私は帰宅した。その日は学校に行けなかった。

その日私が着ていた服を提出するよう警察に言われたので、警察署まで行って正式な調書を取ってもらった。女性の警察官が事情聴取を行ったのだが、まるで深刻な話でもなければ、私がここにいるべきでもない、というように感じた。

写真の中から男を特定するよう指示された時、本当に苦労した。どの写真も、私の頭にあるイメージとは違うのだ。「もし男を識別できなくて、男がまた同じことをしたらどうしよう?」と考えた。

目撃者が、私とは違う人物を選んだと後で聞いた。その男が逮捕されたかどうかは分からない。

私は今も同じ場所に住んでいるが、あのバス停には一度も戻っていない。学校へは、別の行き方を見つけた。一人でいる時はいまだに、人にはものすごく注意している。夜に帰宅する時は一人歩きするなと人は言うが、あれは白昼堂々起こった。つまり、一人ではどこにも行くべきじゃないということだろうか? それはばかげている。しかしあの出来事で、私はそう感じるようになってしまった。

スカート内の盗撮が、性的嫌がらせや性的暴力のような何らかの部門に分類されないというのが信じられない。パーソナル・スペースの侵害であり、それに対抗する法律がないというだけで、逃れるのを許すべきではない。

「生徒たちに盗撮された」――オリビアさん(31)

中学校で教鞭をとっている。数年前、女性の同僚数人と一緒に会議に呼ばれた。一部の生徒が教師のスカートの中を見ようと携帯電話のカメラを使っていたのが見つかり、授業から締め出されていると聞かされた。

生徒たちは協力してやっていた。一人が質問したいと言って教師を呼び、教師がテーブルに乗り出したり、質問に答えようとしているところで、他の生徒が録画状態にした携帯電話を床に蹴って撮影。動画から静止画を切り取ってインターネットにアップロードしていた。

ぞっとするような、非常に動揺する話だった。ご想像の通り、「その写真から何か見えるのか?」のような質問がいくつも浮かんだ。しかし私たちが写真を見ることは許されなかった。私たちのほとんどがタイツを履いていたので、見えたとは思えない。しかし問題なのは、13歳の少年がこれが許されると思っていたということだ。

男子生徒たちが数週間の停学処分を受けて戻ってきた時、再び彼らを教えるよう指示された。

この件についての学校の対応にはまったく満足できなかった。犯罪の被害者になった気分なのに、学校はそのように認識しておらず、被害者のように扱われなかった。誰かが私のハンドバッグを盗んだの同じようには、深刻に受け止められなかったのだ。

私にとって、日常は少しずつ姿を変えた。以前のような服を着られなくなった。スカートよりズボンをはいた方がいいような気がした。生徒たちが携帯電話を持っていたり授業中に質問されるとびくびくしてしまうようになった。生徒を信頼できなくなった。

毎日の仕事に支障が出るし、このことについて生徒たちと話さなければならないと思う。安心して再び教室に戻れるようにするためにも。

「パートナーの携帯に盗撮写真が」――アリスさん(21)

彼とパソコンで映画を見ていた。携帯電話がパソコンにつなげられていて、映画が終わった後、様々な女性の不適切な写真を見つけた。

「これは何?」と聞いたら、彼はパソコンに飛びついて画面を私から隠した。

彼は「昔の写真だよ。削除する」と言った。

初めての恋人だったからどう反応していいか分からず、深くは詮索しなかった。

でも1年後、携帯にさらにたくさんの写真を見つけた。地元の街中や通ってるジムで、しかも間違いなく自分で撮ったものだと分かった。本当にぞっとした。

ようやく、彼と別れる決意ができた。何年もセラピーに通わなければいけなかったし、今のパートナーを信じるのも難しい。

「娘が盗撮被害――アマンダさん(55)

3年ほど前、2人の娘と一緒にショッピングセンターに行った。娘たちは18歳と15歳で、とても暑い日だった。

ある男性が、娘たちをつけまわしている男がいるのに気づいた。するとその男が突然近づいて、娘たちが気づかない内にスカートや短パン内の写真を撮ったそうだ。この光景に憤りを感じた男性は、警備の人たちを呼んでくれた。

男を捕まえて携帯を見たら、他の女性たちのスカート内の盗撮写真もいくつか撮っていることが分かった。

警察が到着した。彼らは15歳の娘が盗撮されたのではないかと非常に懸念していた。実際は15歳の娘ではなく、18歳の娘の盗撮写真があった。

公共の場であり、18歳の成人に対する行為だったため、適用する容疑が見当たらなかったのが難点だ。当初は盗撮の疑いで立件しようとしたが、それは自宅内にいて、窓越しに写真を撮られないと適用されないらしい。最終的に、確か公的不法妨害のようなもので立件されたと思う。

男は罪状を認め罰金を科され、娘は賠償金をもらった。でもそれだけだ。警察はとても真剣に対応してくれたけれど、適用できる容疑がなかった。

私も盗撮されたことがある。ピカデリー線でスカート内を撮られた。恐らくレディらしく座ってなかったんだろう。新聞を読んでいたら、隣の女性が「反対側の男が今あなたのスカート内を盗撮してた」と教えてくれた。

とても腹が立ったから、男の写真を撮って駅についてすぐにイギリス鉄道警察に写真を提供した。またしても真剣に対応し、とても時間をかけてくれたけれど、残念ながら結局割り出せなかった。警察は本当に真剣に捜査するけれど、法律が技術に追いついてない。

聞き取りはビベケ・ベネマ

(英語記事 'Upskirting': It happened to me