2017年08月22日 15:59 公開

世界最古の出版社、英ケンブリッジ大学出版局(CUP)は21日、中国で論文や書評などコンテンツをアクセスできないようにした措置を中止した。

同出版局は当初、中国当局が問題視する論文など数百件について、アクセス遮断に応じていた。対象となった文献は、天安門事件に関するものなど。

中国当局は、もしCUPが検閲要請に応じなければ、中国内で一切の出版をできなくすると圧力をかけていた。

しかし世界各地の学術関係者が21日、CUPの対応に抗議する署名を公表。「自分たちが好む文脈に合わない内容を検閲」する中国政府が、「検閲を輸出」しようとしていると批判した。

こうした抗議を受けてCUPは一転、中国内からのアクセスを認めることにした。

中国の検閲対象となり、一時アクセスが遮断された中国研究誌「チャイナ・クオータリー」のティム・プリングル編集長は、CUPの方針変更を歓迎。「最高級の出版物にアクセスできるというのは、学術研究の根幹を成すことだ」、「そうしたアクセスを妨害するなど、CUPのように世界的に尊敬される出版社のやるべきことではない」と述べた。

潜在的な矛盾

中国当局はCUPに対して、他の文献を出版する代償として、「チャイナ・クオータリー」の論文や書評300件以上を中国内から読めないようにするよう指示した。

CUPは18日の時点で、「中国内から『チャイナ・クオータリー』の特定記事をブロックするよう、中国の輸入当局から確かに指示があった」、「我々が出版するその他の研究・教育教材が、この市場の研究者や教育者に提供され続けるよう、特定記事を外してほしいと言う当初の要求に応じた」と説明していた。

プリングル博士はBBCに対して、CUPがいったんは対象記事を取り下げようとしたのは、「学術研究の自由と中国市場の魅力という矛盾するものにまつわる、深く潜在的な問題」を露呈したと指摘した。

「中国研究主要誌の編集長として、私たちはもちろん、他の要請よりも何よりも学術研究の自由を優先する。だからといって、CUPが立たされた難しい立場を軽んじるつもりもない」

CUPはプリングル博士に、遮断された記事はただちに再掲すると話したという。

(英語記事 Cambridge University Press reverses China censorship move