田中秀臣(上武大学ビジネス情報学部教授)

 民進党の代表選は、前原誠司元外務大臣と枝野幸男元官房長官との一騎打ちの構図となった。代表選の結果は来月1日に判明し、野党第一党の新しい代表が決まる。民主党政権の瓦解、安倍政権の誕生から今日まで、日本では野党第一党の勢力(民主党、民進党)が、与党に比べて議会の勢力でも、また政党支持率の推移でも一貫して弱体化している。

 最近の世論調査でも、さまざまなスキャンダル報道禍の中で、安倍内閣の支持率が揺らいでも、民進党など野党への支持率は総じて弱いままだ。産経・FNNの最新の合同調査でも、安倍政権への支持率が43・8%(前回調査より9・1ポイント上昇)、不支持率は49・0%(同7・1ポイント下落)で、依然として不支持率が支持率を上回り、国民の安倍政権に対する視線は厳しい。

 この安倍政権への不支持率が支持率を上回る契機になったと思われる、森友学園問題や加計学園問題などについては、筆者はマスコミ報道や一部識者たちの姿勢に批判的であり、安倍政権の過誤よりもむしろマスコミの「ワイドショー効果」とでもいうべき負の影響の結果だと思っている。この点については別の論説で書いたので参照してほしい。
衆院予算委員会の集中審議で答弁する安倍晋三首相。右は麻生太郎副総理兼財務相=2017年7月(斎藤良雄撮影)
衆院予算委員会の集中審議で答弁する安倍晋三首相。右は麻生太郎副総理兼財務相=2017年7月(斎藤良雄撮影)
 いずれにせよ、この数年にわたり「一強」といわれた安倍政権の政治的弱体化は、内閣改造後で小休止しているものの、まだ継続していることは明白だ。だが、この政治的好機にまったく民進党は乗れていない。先の世論調査でも民進党への支持率は、6・9%で0・1ポイント微減していて、低迷したままである。なお、自民党の支持率は、33%で3・9ポイントの上昇であり、民進党の約5倍近い。

 このような野党第一党である民進党の不人気の理由はなんだろうか。端的にいえば、やはり民主党政権時代の政策の失敗について、国民が依然として厳しい視線を(党名が変わったとしても、中身は同じものだとして)民進党に注いでいるからであろう。この不人気を党の再建によって回復することができるのか。蓮舫代表の辞任表明を受けた今回の代表選は、マスコミの報道回数も増えて国民の注目も増し、同党にとってはまたとないチャンスである。それを生かせるのか。

 最近では、マスコミ、特にテレビ(ワイドショーなど)での露出のあり方が、政治の人気・不人気をかなり左右するので、その効果は、無視はできない。しかし、こと政策ベースでとらえると、前原氏、枝野氏双方とも民進党の不人気の根源である、民主党時代の政策の失敗から教訓を得ているようには思えない。民主党政権時代の政策の失敗の筆頭は、なによりも国民の生活を困窮化させたことだ。その主因は、旧民主党の「緊縮病」的体質にある。この点については、前々回のこの連載でとりあげたが、重要なのでもう一度書いておく