東京都議 鈴木章浩/麗澤大学教授 八木秀次/ジャーナリスト 細川珠生

 東京都議会で6月、少子化などを議論していた独身の塩村文夏議員に「早く結婚したほうがいいんじゃないか」などとヤジが飛んだことが、セクハラヤジとして社会問題化しました。――最初に名乗り出て謝罪した鈴木章浩議員は、新聞やテレビで非難を浴びたわけですが、少子化が進む日本でそんなに問題のある発言でしょうか。ぜひ議論していただきたいと思います。無論、ヤジは上品とはいえません。まずは改めて鈴木議員に、この点について考えをうかがいたいと思います。

 鈴木 私の事務所にも、様々な誹謗ファクスが来ますが、住民の方かと思って、よくよく見ると、共産党の女性区議の事務所の名前が入っていることもあります。

 鈴木 私自身、議会では不適切な発言であり、不必要な発言であったと深く反省しています。そのことについては本当にお詫びしたいと思っております。「セクハラ」という見方をされることを否定もできません。塩村さんが私の言葉に傷ついたとおっしゃっているので、改めて心からお詫びを申し上げたい。また、配慮を欠いた私の発言で多くの方にご心痛を与えてしまったことにも、改めてお詫びを申し上げます。申し訳ございませんでした。

 八木 鈴木議員はこう言っていますが、この問題を考える上で、議会において、ヤジは言論の一つであるということは認識しておくべきです。議会は有り体に言えば、言論による政治闘争の場ですから、ヤジは禁止されていない。そこが、一般には認知されていないのかなとは思います。

 細川 ただ、議員には品位が求められます。野放しになっているとすれば、鈴木議員の御発言の内容は別として、議会のあり方を考え直すいい機会です。私が過去に国会を取材した時、ヤジでほとんど何も聞こえないぐらいだったのを覚えています。フリーのジャーナリストは、後ろの方の一般傍聴席に座るからかもしれませんが、過剰なヤジは問題だと思いました。どこかスパイスのきいたヤジは効果的かもしれませんが、単に騒いでいる議場の雰囲気はいかがなものでしょうか。

 鈴木 申し訳ございません。ただ、あのとき私は、晩婚化、少子化などについて質疑していた塩村さんに対して、素朴に「早く結婚することが大切なのではないか」と感じ、それを言葉にしてしまいました。議会というのは議論を闘わせるところであり、私の真意が封殺されてしまったことには、正直、残念な思いもあります。

 ――真意を伝えたいなら初めから名乗り出るべきだったのでは? しばらく名乗り出ず、「ヤジは辞職に値する」とまで発言されていましたね。後から名乗り出た議員よりは遙かに早かったにしても、その時点では嘘をついたことになります。

 鈴木 名乗り出るのが遅くなり、また、結果的にウソをついてしまったことも反省しております。

 八木 鈴木議員をかばうわけではないけれど、私が自民党関係者に聞いたところでは、すぐに名乗り出られない事情が、内部でいろいろあったそうです。いろいろ検討された結果、あのタイミングになったと聞きました。同時期に、自民党東京都連会長である石原伸晃環境相が、福島県をめぐって失言した問題もありました。鈴木議員が名乗り出たお陰で、石原環境相の謝罪報道は、比較的小さくなっています。その辺りの真相を、ぜひ聞かせてもらいたいですね。

 鈴木 そういうことについては、私は何も述べられません。とにかく、改めてお詫び申し上げさせて下さい。

 八木 ご本人としてはそうとしか言えないのかも知れませんが、それでは批判が続きますよ。私がマスコミから聞いたところでは、「ヤジは辞職に値する」と答えたのにも事情があったそうですね。当時、塩村議員のプライベートなことについてもヤジがあったといわれていて、そのことまであわせて記者から質問されたため、そんなことまでヤジった議員がいたとしたら辞職に値するというニュアンスだったと聞きましたよ。ほかに自民党以外からも品のないヤジはありませんでしたか。その辺もきちんと説明すべきでしょう。

 鈴木 …。私が言えることは、塩村議員側の人たちは後になって声紋分析をするなどと騒いでいましたが、ご本人が聞いていたのですから、その場で議員の名前を挙げて議事録に残すとか確認をするとか、そういうことをしていただければ、よかったのではないかということだけです。その方が、より議会の改善に繋がっていったんだろうと思います。その機会を逸してしまったというのは、もったいないなと思っています。

 八木 塩村議員はヤジを受けた時、少子化問題と不妊治療のことを質問していたわけですが、鈴木議員だけではなく質疑を聞いていたほかの自民党議員らの間にも、「そういう一般論を述べる前に、あなた当事者意識を持ってはいかがですか」という雰囲気があった。少子化、人口減少は本当に深刻だというのが、あの場にいる人たちの了解事項だったのに、ヤジによって彼女が傷つけられたという部分だけをセクハラとして問題にするのは、私は違和感がありますね。

 細川 「早く結婚しろ」というのがセクハラだとすれば、私自身もセクハラは受けてきたと言うべきでしょう。私は30歳で結婚し、36歳で長男を産んだのですが、その間、「早く子供を」とよく言われました。そんなこと言われなくても分かっている―という感情はありましたが、「まあ、それも笑顔で返すぐらいの度量が必要だ」と。少なくとも、世間一般はそう思うのですから。まして塩村さんは公人である以上、そこは受け止めるべきではないでしょうか。そこをかわせるだけの能力がないと議員を務める資格があるのかなと思います。女性でも、がんばってもどうにもならないものがあるという場合、そういう発言にとても傷つくことは事実ですが、一方で、自分の責任において結婚、出産していないこともある。正直言って、私は、塩村さんは35歳というご年齢ですから、まず、結婚して子供を産むことを、議員活動よりも優先した方がよいと思います。

 八木 「早く結婚を」という言葉をセクハラだから不適切だとして封殺するのは、一種の「ポリティカル・コレクト」です。自分たちから見た政治的な正しさから言葉狩り、言論封殺で政治運動を行うわけです。現にヤジ問題は「セクハラ」問題として、フェミニストたちにより意図的に、拡大されました。7月7日も女性と大学の教員ら約90人の集まりがありましたが、そこでは「セクハラを許さない」という声が上がり、都議会に要請文を出すということでした。「これで終わりにしてはならない」という意図がはっきりあります。ヤジが「セクハラヤジ」と呼ばれ、「セクハラ」そのものになる。これは恐ろしい。なぜなら、ただの発言などたいしたことないことでも、物理的に体を触ったり卑猥なことをしたり、そういうことと同じカテゴリーでくくられると、世間のイメージは途端に悪くなるからです。鈴木議員もダメージを受けたのではないですか。

 鈴木 女性が多い会合とか青少年関係の会合とかは、出席しないでくれと言われています。もちろん、支持者の方には、「よくよく考えれば、たいしたことないじゃないか」と言われることが多いです。ありがたいことに。

 八木 大田区(東京都)の女性区議から、議員辞職を求める声明を出されていましたね(笑)。



20146
セクハラやじの処分要求書を手に取材に応じる塩村都議=2014年6月

八木「セクハラは嫌いな人を弾圧する道具」

 八木 「セクハラ」という概念が何より恐ろしいのは、相手の女性が不快に感じたら、それがセクハラになるという点です。まったく嫌がらせの意図が無くても、相手女性に「セクハラ」と決めつけられれば悪者になります。ということは、「セクハラ」の概念を使うことによって、全女性は主導権を握ることができるようになるのです。とにかく、気にくわない奴を「セクハラだ」と言えば、懲らしめることができるわけですから。

 いま、日本のさまざまな組織に「セクハラ委員会」という組織がありますが、共産主義国家の公安委員会のように、一部の人が気に入らない人を弾圧するための道具になり得るのです。日本社会全体にはセクハラ委員会はありませんが、「セクハラ」という名の下に言論統制が行われていないでしょうか。テレビのコメンテーターも、みんな同じきれい事しか言わない。顔つきを見ていると、本音を言っていないけれど、「ああ、こう言わざるを得ないんだろうな」と感じさせます。

 細川 みんな、気にしすぎですね。洋服を褒めるとか、「きょうもキレイだね」とか、そういうこともセクハラだというのでしょう。そんな会話も出来ないようでは、毎日がつまらないですね。

 鈴木 そんな世の中でいいのかと思います。

 八木 今回のヤジについては、塩村議員個人の問題が途中から「女性の人権」問題にすり替えられました。結婚できない事情、子供が産めない事情、そういう特殊な事情を抱えた女性をすべて一般化して、あたかも全女性がそういう問題を抱えているという前提で論理を展開したのです。すると、「早く結婚したほうがいい」「産まないのか」という発言は、「女性の人権」に反するということになり、許されなくなってしまいます。実際は、多くの女性が結婚もできるし子供も産めるにも関わらずそうしていないだけなのに、あたかも全女性が「したいのに、できない」という立場で、それを鈴木議員がいじめているような構図にした。そこには、戦略があったのではないでしょうか。実際に、話がどんどん大きくなっていったわけですから。しかし、そもそも塩村議員に結婚や出産ができない事情があったのでしょうか。

 細川 彼女の男性交際や国会議員との関係を報じた週刊誌報道を信じるかは別として、かつて明石家さんまさんが司会をしていたテレビ番組「恋のから騒ぎ」で恋愛遍歴を自慢していたようですから、結婚をしようと思うのであれば不可能ではないでしょう。

 八木 出産はどうですか。自分は被曝二世だと公表していますが、だから妊娠できないということはあるでしょうか。被曝二世の方で子供をもうけている方はたくさんいらっしゃいます。

 細川 報道も、「女性の人権」ということにデリケートになりすぎて、少子化の問題などを伝えきれないのかもしれませんね。こういう傾向は報道だけではなく、家庭や日常生活にも、みられます。かつて私は、母親から「早く結婚しなさい」とよく言われたものですが、最近では、親も子供に「早く結婚しなさい」とは言わなくなっていると聞きます。職場では、女性に、腫れ物に触るように接するようになっています。

 八木 「セクハラ」という言葉が発明されたことで、女性が腫れ物になったという一面もあります。しかし、少子化が進んで悠長なことを言っていられるような時代ではなくなってきて、早く結婚して子供を産んでくれという時代になってきた。それをシャットアウトする言葉として、また「セクハラ」が使われているんですね。

 ――日本では一九八〇年代から、「結婚しないのか」「産まないのか」というのは可哀想だという風潮が強くなってきました。

 八木 それはフェミニズムの影響です。結婚するしない、産む産まないは個人の自由だとか、自己決定だとか、フェミニストたちが言い始めたためです。性差を否定するジェンダーフリーという考え方も大きく影響しているでしょう。彼女たちの考え方によれば、妊娠、出産するというのは自分を拘束するものでしかないわけです。妊娠、出産は「女性の奴隷化」だと考えるため、結婚もせず子供も産まず―というのが、一番女性にとって自由な生き方だと信じるわけです。もちろん、そんなことをしていれば、人類は滅びます。

 細川 ただ、幸いにも多くの女性はそこまでは考えていない。大したことでもないのに「セクハラだ」と騒ぎ立てるようなことをする人も、女性の中では一部に過ぎないと思うのです。

 八木 確かにヤジをセクハラと決めつけて大騒ぎする報道についても、多くの女性達は違和感を持っているようですよ。塩村議員に対する女性の反発もかなり大きいと思いますよ。

 鈴木 しかし、マスコミの報道にのせられて、信じていらっしゃる方も多いのですが…。

ヤジ問題で隠された河野談話の検証報告

 八木 私はこの問題が大きくなったのには、もう一つ、裏があるのだと考えています。都議会のヤジは六月十八日にあったのですが、初めはそれほど大きな報道ではなかったのです。翌十九日付朝刊で報じた朝日新聞などは、東京地方版に掲載していたのです。それがその後、どんどん大きくなっていった。何があったか。六月二十日に慰安婦問題の河野談話について、慰安婦募集の強制性を認めた根拠がなかったことを示す政府の検証結果が発表されたのです。慰安婦問題がここまで大きくなったのは、朝日新聞の報道と、フェミニズム団体が「女性の人権」などといって騒いだことが発端ですから、この検証結果によって、国民の怒りの矛先が自分たちに向けられるのを心配したはずです。そんなときに、ちょうどヤジ問題があったのです。実際、この問題が大きくなると同時に、河野談話の検証結果についての報道は一切なくなったのです。

 細川 なるほど。

 八木 中国や韓国が、自国政府に対する国民の不満を逸らすために日本という敵を作るように、セクハラヤジという敵を作ったのです。二十一日付の朝日新聞の社説には、河野談話と都議会ヤジの二つのテーマが並んでいます。慰安婦をめぐる河野談話については「もう談話に疑義をはさむのはやめるべきだ」と書いてあり、ヤジの方には「都議会の暴言 うやむやは許されない」と見出しにあります。しかし、うやむやが許されないのは、慰安婦をめぐる朝日の報道の方なのです。

 細川 (笑)。朝日新聞は、慰安婦の方だけ、うやむやでいいと言っているわけですね。

 八木 都議会のヤジは、初めに名乗り出た鈴木議員以外にも複数の発言があり、「産めないのか」というヤジもあったと報道されたのですが、朝日新聞とテレビ朝日が音声を分析してみると、発言が違っていて、「自分が産んでから」と言っていたのです。細かい話のようですが、意味は全く違います。そうやって、ありもしない発言の犯人捜しに、朝日以外のメディアも便乗して、話がどんどん大きく仕立ててられていったわけです。それに、日本嫌いの欧米メディアの記者も飛びついて、日本叩きに利用しました。

 細川 塩村議員自身が外国人特派員協会で会見しましたね。公人であるなら、あそこで話すことが世界へ向けてどれくらい影響力を持つということなのか考えるべきですが、塩村議員は、考えた上で臨まれたのでしょうか。

 そして何より、新聞は、セクハラばかり強調して、根幹にある少子化や晩婚化、報道のあり方について一切言葉を発しないというのは公正さに欠くと思いますね。集団的自衛権の議論で、朝日新聞やテレビなどの多くのメディアが、世の中の人みんなが行使容認反対というふうに報道していたのと同じです。マスコミはきちんと日本という国がどうあるべきか考えて報道してほしいし、テレビのスポンサーである企業にも、番組の質をきちんと判断していただきたいものです。

 鈴木 お二人のように、ジェンダーフリーやフェミニズムを厳しく批判して、正論を述べて下さる方は少ないですよね。

 八木 (笑)以前はもっと少なかったですよ。しかし、少子化の時代、日本人は気づくべきなのです。フェミニストは男女を「同等」ではなく、「同質」なものであると考えたがる。だから性差を前提にした結婚、出産を女性の奴隷化と見るのです。東京大学の大沢真理教授は、日本のフェミニズムの代表的な人物である上野千鶴子氏との対談で「女で妊娠したことがある人だったらメスと言えるかも知れないけれども、私などは妊娠したことがないから、自分がメスだと言い切る自信はない」(『上野千鶴子対談集 ラディカルに語れば…』)と発言しています。

 細川 (笑)私から見ると可哀想な人ですね。

 八木 こういう人が高校の家庭科教科書に携わっているのです。米国のウーマン・リブの旗手、ベティ・フリーダンは『新しい女性の創造』を書いた後、恋愛し、結婚して、以前書いていたことを否定する『セカンド・ステージ 新しい家族の創造』という本を書いています。女性のセカンド・ステージに、結婚があり、そこに幸せがあるという意味ですが、日本のフェミニストたちは、この改心に学ぼうとしないですね。

 細川 フェミニズムがここまで広がったのは、内閣府の男女共同参画局の影響力も大きいのではないかと、私は思います。廃止すべきです。都道府県レベルを中心に各自治体に同じような組織が設置され、税金で無駄な施設を建てたり、いろいろ研究に公費を投じたり。あの予算を教育に使えば、どれだけ日本のためになるかと思います。

 私も仕事をしていますが、結婚、出産という価値も大切だと思ってきました。母からは、これからの時代は女性も仕事を持って生きていくべきだという考えで育てられたのですが、一方で、「父親に花嫁姿を見せないと一生後悔するわよ」と半ば、脅しのように言われていましたから。

女性はいかに働き、いかに結婚すべきか

 八木 女性の社会進出を否定するわけではありませんが、「育児より働け」という風潮には問題があります。それは、残念ながら、いまの政府にもあるのです。二〇二〇年までに女性を役員、管理職、高度の専門性が求められる職業その他の「指導的地位」に三割以上就ける現実的な計画がなければ、公共事業の受注や補助金の支給が受けられなくするという政府の案まであります。

 細川 女性に下駄を履かせて、出世させるというような手法は無意味だと思います。女性でも男性でも、たくましくないと、本当の自分のやりたい仕事はできない。まして女性が「セクハラだ」とか集団で押しかけていって、権利を主張するようなことをやっているかぎり、自分たちが社会で本当に必要とされる人材にはなれないと思います。女性が仕事と家庭、両方をやっていくのは大変ですが、苦労しながらも両方やっていく覚悟がなければ、どちらかの選択しかないのです。

 鈴木 仕事を持っていて、子育てが困難であるという人を応援することが、私は大事なことだと思っています。

 細川 いま女性問題を論じましたが、少子化については男性の問題が大きいと思います。五十歳男性で結婚未経験の率は二〇%です。結婚生活がうまくいかず離婚するというのは残念なことですが、男性の五人に一人は、そもそも結婚すらしていない。これでは子供は減りますよ。もっと女性をデートに誘うとか、積極的になるとか、男性が頑張らなければいけない。みんなスマホをいじることに満足していてはいけないのです。

 八木 アニメやゲームなど、二次元の架空女性がいいという男性も多くなっていますよね。

 細川 若い人も男性がおとなしく、入社試験でも上位は女性ばかりだそうです。能力のある男性が減ると、女性はますます苦労します。それから非正規雇用の問題も解決すべきです。経済力がなければ結婚できませんから、お父さんにしっかり給与が払われる社会でなければなりません。

 八木 産めよ、増やせよでないと、国が滅びる時代になっているということを、いま、私たちは考えなければなりません。

 細川 ただ、国のために産むとか、国が滅びるから産むという気持ちにはなかなかならないので、自分の人生が楽しくなる、大変だけど育てたい、そういう喜びや価値を女性が実感できるようにならないといけない。子供は人生を豊かにしてくれるものだということは間違いないですから。

 八木 逆に言えば、子供のいない人生は寂しいものです。と、いうと、フェミニストたちは、またこれがセクハラだというかもしれません。

 細川 子供ができないならできないで、人生に別の価値を見いだすことはできると思います。私も、子供ができなかったときに品川区(東京都)の教育委員になり、神様から「自分に子供がなくても、世の中の子供のために働きなさい」と言われていると思って決意しました。ただし、産む努力はしないと後悔すると思います。私もその後、息子に恵まれました。

 八木 家族のいない後半生の寂しさは実際にあるわけです。煩わしく思うこともありますが、煩わしいところもまた、面白さです。

 細川 自分一人で我が儘に生きていく人生より、格段に自分自身を成長させることができます。

 鈴木 家族の価値を見直すべきです。お父さんが家の大黒柱だとか、そういう日本の伝統的な考え方があったからこそ、日本人というのは先輩への尊敬の念を持つとか、困っている人に手を差し伸べるとか、惻隠の情だとかが芽生えてきたのだと思います。そういうものが失われていってもいいのでしょうか。

 八木 まあ、あのヤジで、そこまで伝えようとするのは無理でしょう(笑)。もう一度、真意を釈明しておいた方がいいのではないですか。

 鈴木 政治家として少子化対策を訴えるのならまずご自分が結婚されて、その経験をもとに語るべきではないか。そういう思いだったのです。私の配慮を欠いた不適切発言により、塩村議員をはじめ多くの方に、ご心痛を与えてしまったことに、改めてお詫び申し上げます。政治家として自らが発した言葉に責任を持つことは当然であります。少子化問題は深刻であり、夫婦が子供を持ちやすく、女性が働きながら子育てしやすい、そうした東京を目指して参ります。

■鈴木章浩氏 昭和37(1962)年、東京都大田区生まれ。青山学院大法学部在学中に父親が死去し、家業のクリーニング会社「光伸舎」に入社。大田区議2期を経て平成19年、都議補欠選で初当選。現在3期目。今年6月、都議会ヤジ問題で謝罪し、自民党会派離脱。

■八木秀次氏 昭和37(1962)年、広島県生まれ。早稲田大学法学部卒業。同大学院政治学研究科博士課程中退。専攻は憲法学。著書に『憲法改正がなぜ必要か』など。平成14年、第2回正論新風賞受賞。教育再生実行会議、法務省相続法制検討WTの各委員。

■細川珠生氏 昭和43(1968)年、東京生まれ。聖心女子大英文科卒。父親の故細川隆一郎氏との父娘関係を綴った「娘のいいぶん~がんこ親父にうまく育てられる法」で日本文芸大賞女流文学新人賞。平成7年より「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本)に出演中。