一方、大きさが小さくなるにつれ地球に衝突する頻度は高くなり、例えば直径300-600メートルのものは2万5000年に1回、直径30~140メートルのものは250-500年に1回とされている。ただし、直径100メートル以下の隕石であっても落下の場所によっては、都市が破壊されるなどの甚大な被害を及ぼし得る。

 実際、1908年6月にシベリアのツングースカ上空で発生した直径数10メートルともいわれる隕石による大爆発により、2000平方キロにわたって森林がなぎ倒された。シベリアの奥地であったため人的被害はほとんどなかったが、もし落下が3時間ずれていたらモスクワは完全に壊滅状態になっていただろうといわれている。そのエネルギーは、広島に投下された原子爆弾の1000倍以上と推測されるすさまじいものであった。

 また、2013年2月には、ロシア中部のチェリャビンスク州に直径17メートルほどの隕石が落下した。大気圏突入時の爆発の衝撃で東西100キロあまりにも及んで建物のガラスが割れるなどして、住民およそ1500人が負傷した。
ロシア・チェリャビンスク上空の隕石のビデオ映像=2013年2月(AP=共同)
ロシア・チェリャビンスク上空の隕石のビデオ映像=2013年2月(AP=共同)
 このような直径100メートル以下の小惑星でも地球に衝突すると多大な被害を及ぼすが、見つけることが難しく、ほとんどがまだ発見されていない。そのような隕石落下にどのように対処すればよいのか。

 まず、衝突の可能性のある小惑星を早期に発見できるように監視態勢を強化する必要がある。NASAは2020年までに直径140メートル超の小惑星の90%を発見することを目標としているが、これが確実に達成されることを期待したい。それより小さい小惑星は見つけることが難しく、その多くが発見されていない。今般のPDCで議論されたように、各国が連携して精度の高い観測網を構築することが重要である。

 それに加えて、地球に衝突しそうな小惑星が見つかった場合にその軌道を変えるための技術をさらに開発する必要がある。日本では、小惑星に人工衛星を衝突させてその軌道を変えるための技術開発に必要なデータを小惑星探査機「はやぶさ」や「はやぶさ2」で集めている。小惑星の衝突を防止するこのような宇宙技術の開発は、地球の安全と平和を維持するためのものであり、わが国はこれまで以上に積極的に取り組むべきであろう。