爆発が起こると、熱せられた空気が上空に巻き上げられ、上昇気流が発生する。すると地表の空気が希薄になりそれを補うように周囲から風が吹き込む。爆風はまず爆心地から吹き、そのあと逆方向からの「吹き戻しの風」が吹くため、2方向からガラス片が飛んでくることを覚えておこう。
◆概ね24時間で放射線は弱まる
 熱線、爆風の次に考えなければならないのは放射線だ。爆発で一次放射線と二次放射線が生じる。前者は核爆発の反応が起きているときに出る放射線で、放出される時間は火球が見える時間とほぼ同じ(20KT級なら1.5秒程度。爆発力による)。後者は核爆弾の材料が蒸発した後、冷えて灰のような細かい固体になって降ってくるものや、爆風で巻き上げられたほこりなどが、一次放射線の影響を受けて放射能を持ったもの。いわゆる「死の灰」だ。

 一次放射線から生き残るために特に何かを考える必要はない。地下や建物内で熱線や爆風から生き残ることができれば、一次放射線からも逃れたことになるからだ。むしろ心配しなければならないのは二次放射線のほうだ。

 放射能は時間に比例して弱まる。それは放射性物質の種類によってさまざまだが、おおまかにいうと、時間経過が7倍になれば放射能は10分の1になる。爆発7分後の放射能は1分後の10分の1、さらに7倍の49分後には100分の1になる。核爆弾の規模にもよるが、概ね24時間も屋内に退避していれば、かなりの程度、放射能は弱まり、注意すれば外出できるようになるだろう。

 つまり、生死を分けるのは最初の数時間なのだ。

●かの・よしのり/昭和25年生まれ。自衛隊霞ヶ浦航空学校出身。北部方面隊勤務後、武器補給処技術課研究班勤務。平成16年退官。『ミサイルの科学』(サイエンス・アイ新書)など著書多数。

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