2017年09月07日 15:17 公開

デイブ・リー、北米テクノロジー担当記者

フェイスブック社は6日、人種や移民、権利の平等などについて社会の分断と対立をあおるような政治的メッセージを大量にフェイスブックに掲載するロシア発の運動が発覚したと明らかにした。

フェイスブックによると、今年5月までの2年間で合計約10万ドル(約1100万円)に相当する約3000件の広告が掲載されたという。

内容は特定の政治家を支援するものではなく、移民制度や人種、権利の平等などに関する話題で、偽情報を載せるなどフェイスブックの規約に違反する約470のアカウントに、利用者を誘導する仕組みになっていたという。

「問題の広告やアカウントは、イデオロギーの左右を問わず、幅広く対立をあおる社会政治的メッセージを、強力に広めようとしていた」とフェイスブックは書いた。

同社は、問題のアカウントを作ったのは、ロシア・サンクトペテルブルクを拠点とする、いわゆる「インターネット・リサーチ・エージェンシー」ではないかと疑っているという。この組織は、ロシア政府支持の内容をソーシャルメディアに投稿して回る集団として知られる。

同社の情報セキュリティー責任者、アレックス・ステイモス氏は、問題のアカウントはいずれも閉鎖したと説明した。

米連邦捜査局(FBI)に情報を提供し、捜査に協力しているという。

米大統領選への影響調査中に

フェイスブックが昨年の米大統領選で悪用されたのかに関する社内調査の過程で、この偽情報運動が発覚したという。

昨年11月にドナルド・トランプ氏が米大統領に当選した直後、フェイスブックが果たした役割について、フェイスブックと創設者のマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は、事態を軽視し過ぎていると厳しく非難された。ザッカーバーグ氏は当時、フェイスブックに大量に掲載された「フェイクニュース」が選挙結果を左右したなど、「狂った」考えだと一蹴していた。

ステイモス氏は、偽情報キャンペーンについて発表したブログ記事の中で、どのように察知したかを詳述。「ロシア発かもしれない広告をまず探した。まとまった組織的な動きかどうか分からないもの、関連が薄そうなものも含めて」とステイモス氏は書き、さらに「必ずしも規約や法律違反を犯していなかったとしても」、「たとえば米国のIPアドレスから登録されても、言語設定がロシア語になっているアカウントなども、幅広く調査の対象にした」と説明した。

「この調査の一環で、約2200件の政治関連と言えるかもしれない広告に、約5万ドルが支払われていたと分かった」

広告影響力を誇張と

この偽情報問題とは別に、米紙ウォールストリート・ジャーナルは6日、フェイスブックが広告リーチ(広告を見る人数)力を誇張して、広告主に売り込んでいたと伝えた。

記事によると、フェイスブックは広告掲載を検討しているクライアントに、フェイスブックに広告を載せれば米国内の18~24歳の4100万人の目に触れることになると説明していた。しかし、米国勢調査によると、米国内の18~24歳は3100万人しかいない。

オンライン・マーケティングを専門とするリチャード・ニューマン弁護士は、フェイスブックにとってはささいな問題かもしれないが、きちんと対応する必要があるとBBCに話した。

「フェイスブックは明らかに、ソーシャルメディアとインターネット広告において、圧倒的な地位を占めている。それ自体は問題だとまったく思わないが、フェイクニュースを規制し、自社プラットフォームに掲載される広告の信ぴょう性を測るため、予防的措置をとる必要はある」

(英語記事 Facebook uncovers Russia-funded misinformation campaign