今年は周知のとおり、ほぼ月替わりで大物キャラクターが現れ、マスコミにとっては「豊作年」でした。佐村河内守氏、小保方晴子氏、野々村竜太郎氏、小渕優子氏、アマゾンレビュー炎上の某後妻本……と群雄割拠だったわけですが、やはり凋落の速さからもインパクトからも、第1位は小保方晴子さんだと思います。

 私は「北朝鮮ブログ」なんて危なっかしいことをやっていて、時々ウェブ記事も書かせて頂いたりしていますが、本業は某メディアの端くれです。その特権に預かり小保方さんの記者会見にも参加できたのですが、彼女が放つ妖気というか、そのフィールドを“自分劇場”と化してしまう力は尋常ではありませんでした。時々いますね、こういうのを魔女というんでしょう。

 実際、同席していた先輩(男性)もメロメロになっており、他媒体の記者からも「あれは許しちゃうよね、うん」などという声が上がっていました。私もすっかり何かに思考を乗っ取られ「許しちゃいましょう。可愛いし」などと戯言を言ったりしました。数時間後に正気に戻りましたが。人間とは愚かなものです。

 何かと人や事象をカテゴライズ、ネーミングして語る側面が強い日本のマスコミですが(ちなみにこういう点が北朝鮮と似てます)、いかにも保守的な男性に好まれそうな要素を押さえていた小保方さんも、例にもれず「リケジョ」などと名付けられ物議を醸しました。

 マスコミ業界もまだまだ保守的です。私も最近、業界の方に「女編集者なんて女じゃないよ」などと言い切られましたが、気が弱いので「ですよね~(笑)」としか返せませんでした。この業界の男性は同業者の女性を珍獣扱いし、「芸能人に会わせてあげるよ」などを誘い文句に純情な女子を食い散らかし、セフレや風俗嬢を陰でビッチ呼ばわりしておきながら、自分の嫁だけはちゃっかり良妻賢母でおまけに美人で元CAとかだったりする確率が高いですからね(私調べ)。年代にもよるけど。

 そんななか、女性お笑いコンビの「日本エレキテル連合」さんが、2014年の流行語大賞を受賞したことは、二つの意味でパラダイムシフトと思える出来事でした。

 夏に彼女たちのライブを見たとき、ようやく実力のある女性芸人が現れたと感じました。「女芸人は売れない、つまらない」というのはもはや幻想であると。これが一つ目。

 二つ目。ありのままでいいんだって証明したこと。「アナと雪の女王」のパクりになるようで嫌なんですが……

 彼女たちは世間一般で言うところの「アラサー」で、「もうそろそろ結婚を……」などと言われる年齢です。しかし結婚に足る高スペック男性の恋愛対象になるためにひたすら努力するような世界では、彼女たちは勝ち抜くことが難しいかもしれません。実際に、そのような立場から考えついたと思しきネタもあります。私もイケメンに好まれざる女の一人として、彼女たちのネタや目のつけどころには共感できる部分が多いです。
 
 しかし小保方さんが女子力で理研のオジさんたちに気に入られ、コピー&ペーストでチョチョイのチョイとやっていた一方でエレキテル連合さんは愚直にコントを追求し続け、毎日一本ずつネタ動画をアップすることをやめませんでした。彼女たちは、売れてきた途端に化粧が濃くなったり、「女」の部分を出し始める他の女性芸人とは違うものを感じます。

 残念ながら実社会ではそのような個性やストイックさが女性としての評価に繋がることは少なく、「ゆるふわ」、「アラサーまでに結婚」、「エロい」、「男のわがままを笑って受け入れる」など固定化されたイメージに沿わない場合は人格や才能まで否定されてしまうケースが多いです。女性社長や女性個人事業主にも「女性ならではの視点を生かして」などとプレゼンする人が非常に多いですが、そのようなことを打ち出さず、言わば「無属性」のままで成功した女性に対しては「女を捨ててる」、挙げ句の果てには「ブスだからその分頑張ったんだろう」などと邪推されるわけです。

 なので、最後の最後にエレキテル連合さんのような存在が脚光を浴びて本当に良かったと思っています。来年も、「女子力」もなく、可愛らしい「リケジョ」にもなれないような女性たちがありのままに、正当に評価されることを願ってやみません。まあ「北朝鮮ライター」などという謎属性の私には縁のない話なんですが。せめて婚活くらいは成功したいです。